『イカゲーム』イ・ジョンジェが“無慈悲”な殺し屋に…日本公開控える『ただ悪より救いたまえ』とは

2021年10月10日 映画 #韓国映画

去る2020年8月5日に韓国で公開され、2021年12月24日に日本公開を控えている映画『ただ悪より救いたまえ』。韓国公開当時は、コロナ禍にもかかわらず初日に34万人を動員し、公開からわずか2週間で累計381万1088人を動員するなど、大ヒットした作品だ。

韓国ノワール・アクションの傑作とも称される本作は、腕利きの暗殺者インナム(演者ファン・ジョンミン)が、引退前のラストミッションで日本のヤクザ、コレエダ(演者豊原功補)を殺めるも、コレエダは無慈悲な殺し屋レイ(演者イ・ジョンジェ)の義兄弟だった。2人の間に期せずして生まれてしまった因縁により繰り広げられる、凄まじい死闘を描いたハードボイルドアクション映画だ。

韓国が誇る名優ファン・ジョンミンと、Netflixで大ヒットしている『イカゲーム』のイ・ジョンジェが、映画『新しき世界』以来7年ぶりに再会したことでも話題の本作。韓国公開当時も華麗なアクションシーンで好評を得ていた。

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韓国の2大ベテランが新境地

(写真=CJエンターテインメント)韓国版キービジュアル

映画はファン・ジョンミンのアクションから始まる。シマダ(演者パク・ミョンフン)からイ依頼を受けたインナムは、今回を最後に去ろうと決意するが、数年ぶりに現れた元恋人ヨンジュ(演者チェ・ヒソ)と、彼女がひそかに産んでいた娘ユミン(演者パク・ソイ)の存在が決断を変えさせることに。暗殺者として血も涙もないインナムに、ユミンが思い出させた父性愛に注目だ。

暗殺者と、それを追う復讐者。ストーリーだけを見ると、従来の作品ですでに使われた内容にも見えるが、主演の2人が特別さを加え、ウェルメイドな作品へと昇華させている。

自らアクションシーンを演じたファン・ジョンミンとイ・ジョンジェは、すでにデビュー25年を超えたベテラン俳優だが、今作でまた新たな一面を披露。20代の若手に引けを取らないアクションはもちろん、熟練した年齢が演技にそのまま滲み出ている。

実生活でも2児の父親のファン・ジョンミンは、作品に切ない父性愛を自然に溶け込ませ、“殺し屋”への固定観念すらもガラッと変えるほどの存在感を放っている。

(写真=CJエンターテインメント)

また無慈悲な“絶対悪”を思わせるイ・ジョンジェは、衣装やスタイリングにも変化を与えた。 怖いもの知らずに見えるイ・ジョンジェの暴走は、かえって映画の中の人物と比べて立体的な映画を作り出した。

2人が、自らにとって最も難しいキャラクターの1つに挙げるほど、ベテラン俳優にも新しい挑戦だったという。

これまでにない韓国アクションの傑作

『ただ悪より救いたまえ』は、果てしなく繰り広げられる苛烈なアクションだけでも、見る価値が十分と言える。ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが完成させたスタント、カーアクション、ガンアクションなどは、108分の上映時間の大多数を占めるほど比重が大きいが、シーン毎に異なる新鮮さを披露するため、観客を飽きさせない。

そしてスタートから1時間後に登場するユイ役のパク・ジョンミンの存在も欠かせない。イ・ジョンジェが切り札として挙げたパク・ジョンミンは、デビュー後、最も大きな変身を本作で試みている。

(写真=CJエンターテインメント)

存在自体がネタバレになるほどの強烈なキャラクターのため多くは語れないが、パク・ジョンミンという俳優が与える信頼感と説得力は絶大なものとなっている。

これまで、『チェイサー』『哀しき獣』の脚本を手がけたホン・ウォンチャン監督は、韓国、日本、タイなどの海外ロケ地が与える雰囲気を十分活用し、アクションシーンでも適切なテンポとリズムの調節で、見事な緊迫感を作り出した。

タイ現地俳優たちの熱演とリアルさも生かされ、観客が退屈する暇もないほどしっかりとして構成となっており、韓国映画としては久々となる新鮮なチェイスアクション作品に仕上がっている。

『ただ悪よりすくいたまえ』は、12月24日にシネマート新宿、グランドシネマサンシャイン池袋ほかで全国ロードショーだ。

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