9月28日、Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』を手がけたファン・ドンヒョク監督のオンラインインタビューが行われた。
『イカゲーム』は、賞金456億ウォン(約45億円)がかかった謎のサバイバルゲームに参加した人々が、優勝を目指して命をかけた極限のゲームに挑む物語。
映画『天命の城』(2017年)、『あやしい彼女』(2014年)、『トガニ 幼き瞳の告発』(2011年)などを手がけたファン・ドンヒョク監督が、長い間構築してきた想像力の集大成だ。
実は2008、2009年ごろに『イカゲーム』の映画制作を試みたというファン監督は、「当時は不慣れで難解、あまりにも奇怪だと言われたので作れなかった」と振り返る。
海外での人気については「最初から世界市場を目標にしようとは思ったが、ここまで人気になるとは想像もしなかった。僕たちの間では『ダルゴナ』の商売を先取りすべきじゃないかという冗談も出た」と喜びを表した。
ただ、韓国での反応は極端に分かれるほうだ。特に、人物たちの肉体を財貨にしたという批判もある。それについてファン監督は次のように語った。
「肉体を財貨にしたのは、極限に追い込まれた人はどんなこともやってしまうという考えの現れで、特定の性別を卑下する意図はなかった。ボディーペイントも女性も道具化ではなく、人をどこまで軽視できるかを表す仕掛けだ。1970、1980年代の普遍的な価値を持ち出しただけで、男性にフォーカスを合わせたわけではない」
ドラマの終盤、主人公のギフン(演者イ・ジョンジェ)が髪を赤く染めることについても説明している。
「自分がギフンだったら美容室に座ってどんなことを話すかと考えた時、普段なら絶対しなかったことをやると思った。別人になったから。僕が思う最も突拍子もないことが髪を赤く染める染めることで、赤い髪にはギフンの怒りが込められていると思った。すごくストレートな考えだ」
シーズン2の予定はあるだろうか。ファン監督は「シーズン1を作りながらすごく大変だった。書いて、制作して、演出を1人でやる過程で精神的にも肉体的にも疲れ切ったので、しばらくは出来ないと思った。ただ、あまりにも多くの方々にご好評いただき、やらないと言ったら大変なことになりそう。実はシーズン1をやりながら歯が6本抜けた。シーズン2を1人で作れるか自信がない。少し心配だ」と打ち明けた。
そして「申し訳ないが、シーズン2についてはとりあえずノーコメントしたい。悩むべきことがある。まだ断言するには早いようだ」と慎重な態度を見せた。
ファン監督は「今の高い人気に対する追加の収益はなく、それについて惜しくないと言えば嘘になる」と笑いながら「知っていて契約書にサインしたわけだから仕方ない。熱い反応だけでも感謝するし、祝福されたと思う。初めてのシリーズだが、とんでもない成功を収めた。一生の勲章であり、レッテルのように付きまといそうだ。何をやっても比較されるはず。 勲章であり、プレッシャーでもある」と、『イカゲーム』への愛情を示した。(了)
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