『わたしは金正男を殺してない』が韓国で不認定に、敷居の低いジャンルだったのになぜ…

2021年06月07日 映画

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の異母兄弟、金正男(キム・ジョンナム)暗殺事件を取り扱ったアメリカのドキュメンタリー映画『わたしは金正男を殺してない』が、韓国での公開を控えていたが、芸術映画の不認定を受けたため公開が難しくなっている。

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『わたしは金正男を殺してない』を韓国に輸入した配給会社THE COUPとWATCHA、投資会社KTHは6月7日に報道資料を発表し、「映画振興委員会の“芸術映画不認定”についての明確な審査基準と、認めない事由の告知を求める」と明らかにした。

THE COUPらは『わたしは金正男を殺してない』を映画振興委員会の芸術映画認定審査に提出したが、5月17日に不認定通知を受けていた。その後6月1日に再申請し、現在は結果待ちの状態だという。

衝撃の事件を映像化したドキュメンタリー作品

今回不認定を受けた『わたしは金正男を殺してない』は、2017年2月13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で発生した金正男暗殺事件に関する作品だ。暗殺に関与したとして告発された2人のインドネシア人女性シティ・アイシャと、ドアン・ティ・フオンの観点で事件を再構成されている。

(写真提供=THE COUP)『わたしは金正男を殺してない』韓国版ポスター

そして今回の『わたしは金正男を殺してない』不認定騒動は、芸術映画認定のハードルの低さにもかかわらず通らなかったため、韓国では意外なものと報じられている。

2020年は計223本が芸術映画認定審査の申請を出し、147本が認められたとされている。認定割合は65.9%だ。そして2019年の認定比率は77.1%だった。

『わたしは金正男を殺してない』は第36回サンダンス映画祭で初上映され話題を集めた作品だ。ドキュメンタリーは非商業的ジャンルであり、芸術映画として認められることが多いことを考慮すると、今回の不認定は予想外の出来事だと言える。

韓国での上映は実質不可能か

THE COUPらは「全世界的にドキュメンタリーというジャンル自体は、独立芸術映画の代表ジャンルだ」とし、「この作品もまた、それに合致する芸術的目的を世界有数の映画祭への招待などで立証されている」と主張した。

ドキュメンタリー映画の場合、芸術映画の不認定を受けると販路が閉ざされる。なぜなら、一般の上映館はドキュメンタリー映画をほとんど上映しないからだ。

芸術映画を重点的に上映する劇場は、認定を受けた映画だけを上映する傾向が強いが、それは振興委員会の認定を受けた芸術映画を一定回数上映してこそ、支援を受けることができるためだ。

『わたしは金正男を殺してない』の関係者は「芸術映画として認められるものと考え、輸入と封切りなどの関連業務を進めてきた」とし、「もともと6月に封切りする予定だったが、不認定の影響で一旦7月に先送りしいている状況」と明らかにした。

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