中国出身のK-POPアイドルたちが韓国で大問題に…「抗米援朝」と議論になる理由とは

2020年10月27日 話題

中国出身のK-POPアイドルたちが中国の朝鮮戦争参戦を意味する“抗米援朝”を記念したことで、議論が巻き起こっている。

“抗米援朝”とは、朝鮮戦争に中国が義勇軍として参戦し、アメリカ主導の国連軍と戦った際に使ったスローガンで、「アメリカに対抗し、北朝鮮を助ける」という意味だ。10月25日で中国が朝鮮戦争に参戦してから70年を迎えた。

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そんななか最近、EXOのLAY(レイ)、f(x)出身のビクトリア、PRISTIN出身のギョルギョンをはじめ、宇宙少女のソンソ、ミギ、ソニなどが、相次いでSNSに“抗米援朝”作戦70周年を記念するというハッシュタグを含めた投稿を行った。

韓国にとって何が問題なのか

彼らは去る10月23日、中国のソーシャルメディアWeibo(ウェイボー)に「歴史を記憶し、英雄に敬意を表する」という内容の文章や中国の国営放送CCTVの関連ウェイボー投稿を引用し、“抗米援朝”を記念した。

左上から時計回りにf(x)出身のビクトリア、EXOのLAY、宇宙少女のソンソ、PRISTIN出身のギョルギョン

EXOの中国人メンバーであるLAYは、ウェイボーに「英雄は永遠に忘れられない」とし、「義演軍(中共軍)の抗米援朝出国作戦70周年記念」というハッシュタグを付けた。

中国人としての立場としては、問題はない。ただ“抗米援朝”は朝鮮戦争当時、アメリカに対抗して北朝鮮を助けたことを意味し、アメリカ側であった韓国とは対立することになるため、韓国では議論が巻き起こった。

彼らがアーティストとしての夢を叶え、活発な活動を広げている場所は、他でもなく韓国だ。デビューからK-POPアイドルとして大きな愛を受け、それだけの富と名誉も得てきただけに、大々的に“抗米援朝”を記念するのはK-POPアイドルとしては矛盾だとの指摘と批判が続いている。

批判の声が高まると、彼らのグループ脱退などを望む国民請願まで登場した。10月24日、韓国大統領府の公式HPに設置された国民請願には「歴史を歪曲した彼らの韓国活動に制裁してくれ」という投稿が上がり、今も熱い反応が続いている。

一部では、SNSは個人的な空間で、表現の自由を認めなければならないという声もある。事実、前出のアイドルたちは、現在は韓国ではなく中国で活動する場合が多いだけに、敏感になる必要がないとの意見も少なくない。

それでも現在の活動場所を離れ、アーティストとしての夢を成すことになった韓国に対する気遣いは必要ではないかとの世論がさらに激しくなり、議論が続いている。

とある業界関係者は「多国籍アイドルグループが増えるほど、国家間の歴史観が問題になるケースがしばしばあった」とし、「実際に韓国内の情緒では受け入れがたい部分もあったし、時には誤解が原因で問題が大きくなるときもあった。もちろん、より客観的に見る視点も必要だが、歴史観を重視する韓国の情緒上、今回のような騒動と問題に対してはなおさら慎重になるべき」と説明した。

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