BTSやSEVENTEENらが所属するHYBEが、所属グループのワールドツアーの好調を追い風に、過去最高となる四半期売上を記録した。
第3四半期までの累計売上は、2兆ウォン(約2000億円)に迫る規模に達している。
2025年第3四半期の連結売上は7272億ウォン(約772億円)で、前年同期比37.8%増。これまでの最高記録だった2024年第4四半期(7264億ウォン)を上回った。今年HYBEは第1・第2四半期も過去最高の売上を更新しており、その勢いは止まらず、第3四半期累計売上は約1兆9300億ウォン(約2000億円)に達した。
第3四半期の“直接参加型”(コンサートなど)売上は4774億ウォン(約500億円)で、全体の約66%を占めた。BTS・JINのグローバルソロツアーに加え、TOMORROW X TOGETHERやENHYPENのワールドツアーが世界中で好評を博し、コンサート売上は前年同期比3倍以上の2450億ウォン(約250億円)に増加した。一方で、アーティストのカムバックが相対的に少なかった影響もあり、音盤売上は1898億ウォン(約200億円)で前年同期比減となった。
グッズ・ライセンス、コンテンツ、ファンクラブなど“間接参加型”売上は2498億ウォン(約260億円)で、前年同期比22%増を記録。中でもMD・ライセンス部門は1683億ウォン(約170億円)と70%増の大幅成長を見せた。ツアーグッズやペンライト、アーティストIPを生かしたキャラクター商品の販売が好調だった。
HYBEが掲げる“マルチホーム・マルチジャンル”戦略も、グローバル市場で着実に成果を上げている。グローバルガールズグループ・KATSEYEの『Gabriela』はBillboard「Hot 100」で37位を記録し自己最高を更新。『Gnarly』も再び同チャートに入り、累計11週チャートインを達成した。
KATSEYEは第68回グラミー賞で「最優秀新人賞」「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス」の2部門にノミネートされ、Spotifyでは月間リスナー数3300万人を突破。K-POP方式を基盤とするアーティストとしては過去最高記録を打ち立てた。この勢いを受け、北米13都市16公演の初グローバルツアーを予定しており、すでに全公演が完売している。
同レーベル所属の4人組“姉妹グループ”も、現在グローバルオーディションを通じ最終メンバー選抜が進行中で、このプロセスは来春、日本のOTTプラットフォームを通じて公開される予定だ。
また、グローバルスーパーファンプラットフォーム「Weverse」も、第3四半期累計で黒字転換に成功。デジタルメンバーシップや広告など新規ビジネスモデルの成果が出た形だ。11月18日には中国最大の音楽サービス「QQ Music」でプライベートチャット機能「Weverse DM」をオープンし、ユーザーとの接点拡大を図る。来年はBTSの活動再開や主要アーティストの成長、EC売上増加、Weverse独自事業の拡大により、大幅な業績改善が期待されている。
一方でHYBEは、第3四半期に422億ウォン(約44億円、営業利益率 -5.8%)の営業損失を計上した。グローバルアーティストIP拡大のための先行投資と、北米事業の構造再編に伴う一時費用が重なり、営業利益率は約12ポイント下落した形だ。 新規IP投資としては、韓国でボーイズグループ「CORTIS」が成功裏にデビューしたほか、南米ではオーディション番組から5人組「SANTOS BRAVOS」が誕生。ラテンバンドオーディション「Pase a la Fama」を経て、HYBE Latin America傘下S1ENTO Recordsからバンド「MUSZA」がデビューした。決勝進出組のDestino、人気を集めたLow Clikaもデビュー準備中で、これらのプロジェクトに伴う初期コストが利益率を押し下げた。
HYBE CFOのイ・ギョンジュンは「複数グループが同時期にデビューしたため短期的な収益性は低下したが、中長期的にはグローバルファンダム拡大と収益基盤の強化につながる」と説明した。
さらに北米事業の構造転換に伴う一時費用も、営業利益率を約6ポイント押し下げた。HYBEは北米での収益性・運営安定性向上のため、“マネジメント中心”から“レーベル中心のIP統合モデル”へ転換中で、来年は構造改革の効果に加え、BTSの活動再開により北米事業の収益安定化が期待されている。
HYBE代表イ・ジェサンは「K-POP部門は今年も10~15%の利益率を維持しており、企業基盤は堅調。利益を圧迫する要因は第4四半期を境に大部分が解消される見込みで、来年から本格的な収益改善局面に入る」と明かした。
さらに「来年はBTSの活動再開、K-POPアーティストの成長加速、マルチホーム・マルチジャンル戦略の拡大、Weverseの黒字維持を柱に、収益性が大きく回復するだろう」と展望を語った。
(記事提供=OSEN)
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