いまや日本国内で知らない者はいないであろうドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京)。久住昌之の人気漫画作品を映像化した人気シリーズで、深夜ドラマとしては異例の7シーズンというロングランヒット作品だ。
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そんな『孤独のグルメ』だが、国内だけに留まらず韓国でも話題を集めている。ふらりと立ち寄った店でひとり食事を楽しむ主人公・井之頭五郎を演じる松重豊は、現地でも多くのファンを生み出した。
その人気ぶりは1~7の全シーズンが複数のチャンネルで放送されるほどだ。去る9月に行われた「ソウルドラマアワード2018」では、韓国で最も愛された海外ドラマに与えられる「The Most Popular Foreign Drama of the Year」の栄光にも輝いた。
放送当初から熱心なマニアたちの心を掴んできた『孤独のグルメ』だが、その評判を加速させたのはなんといってもシーズン7の“韓国出張編”だろう。
放送前からロケの様子がさまざまなSNSで拡散され韓国のネットユーザーの間で話題を呼び、その期待に裏切らない反響も見せた。
韓国出張編では、井之頭五郎が全州で納豆チゲとセルフピビンパに舌をうならせ、ソウルでも味噌チゲや、骨付きカルビ、屋台のトッポギといったさまざまな韓国料理を堪能している。
韓国の視聴者にとって、主人公の五郎さんがおなじみの料理を楽しむ姿は一層喜ばしいものだったことが見受けられる。しかも、視聴者の心を掴んだのは韓国グルメの登場だけではない。韓国からも特別ゲストたちがサプライズ出演し、松重豊とともにドラマを盛り上げたのだ。
五郎が訪れた出張先の社長を演じたのは、歌手のソン・シギョン。出演が決まる前から『孤独のグルメ』の大ファンだったという。
シーズン7の制作陣は、公式SNSで「ソン・シギョンは韓国出張編の撮影期間、自身の撮影がない日にもスタッフ全員にドリンクを差し入れしてくれた。感動的だ」と投稿している。ソン・シギョンが松重豊にコーヒーを差し出す写真も掲載され、2人の仲睦まじい様子は見る人を笑顔にさせた。
また、出張先のアシスタント社員を演じた女優パク・チョンアも、松重豊に対して溢れる感謝の気持ちを伝えている。劇中で流ちょうな日本語を披露したパク・チョンアは言った。
「『孤独のグルメ』に出演することが出来て、本当に幸せだ。日本語の演技はとても緊張したけれど、スタッフの皆さんが応援してくれて、無事に撮影を終えることができた。本当に感謝している。
ゆるいキャラクターを微笑ましく見守ってくれた五郎さんのおかげで、より一層楽しく感じられた。今回の撮影で、私は松重豊氏のファンになった。親切ながらも細やかな気配りをもって接してくれて、とてもありがたかった」
さらなるサプライズ出演でファンを笑顔にしたのはK-POPアイドルグループSS501のキム・キュジョン。
屋台でトッポギを堪能する五郎に美味しい食べ方のアドバイスをする好青年を演じ、短い出演ながらも確かな存在感を示した。韓国だけでなく日本のファンからの注目も集め、韓国出張編に絶妙なスパイスを加えている。
日本で普段スポットライトを浴びることのない素朴な韓国料理と、ドラマへの愛情を惜しまないスペシャルゲストたちが人気の相乗効果を生み出した『孤独のグルメ』韓国出張編。日韓ドラマがより一層の盛り上がりを見せるきっかけとなるか、これからの期待も高まっている。
(文=姜 由奈)
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