女性教師と男子小学生との関係を描いたドラマ『私が愛した小学生』の制作が進められているとの報道を受け、韓国教育界では強い反発が起きている。
韓国教員団体総連合会(以下、総連合会)は7月1日、公式声明を通じて「これは明らかなグルーミング犯罪の美化であり、児童の人権を侵害する可能性がある」として、ドラマの制作および放送計画を即時撤回するよう求めた。
物議を醸している『私が愛した小学生』は、2015年から2020年にかけて連載された同名ウェブ漫画が原作。恋人と別れた小学校教師の女性が、オンラインゲームを通じて知り合った男性キャラクターに好意を抱くようになるのだが、のちにそのキャラクターの正体は自身が受け持つクラスの男子児童だったことが明らかになるという物語。
先立って6月27日、原作を配信したCNCレボリューションと制作会社メタニューラインは、同作のドラマ化を正式に発表。演出は『ボイス2 ~112の奇跡~』のチョン・ソンヒョン監督が担当すると予定されているが、具体的な放送時期やキャストなどは未定だ。
しかし、こうした設定自体が、教師と児童の権力関係を歪め、不適切な関係をファンタジーとして消費させるという点で強い批判を浴びている。
総連合会は、「教師は生徒と信頼関係を築き、高い倫理観と専門性をもって教育にあたるべき存在だ」とし、「その立場を悪用して、未成年の教え子と私的な感情を共有するような物語は、ロマンスでも創作でもなく“犯罪の美化”だ」と断言した。
また、「このような作品が放送されれば、現実に存在するグルーミング犯罪の深刻さを軽視させかねず、無自覚に消費される恐れがある」と警告。そして、「こうした設定を演じなければならない子役たちへの心理的・情緒的な影響も避けられず、商業的な利益のために子どもを危険にさらすのは“もう一つの暴力”である」と付け加えた。
さらに、「このような企画は、日々献身的に教育に従事している教師たちの名誉を傷つけ、教師・生徒・保護者の間に築かれてきた信頼という教育の根幹を壊す行為だ」として、「ドラマ制作および放送計画の撤回」「放送通信審議委員会による有害性の検討と審議」「児童・青少年を保護するためのコンテンツ基準の策定」の3点を強く求めた。
総連合会のカン・ジュホ会長は「教師と生徒の信頼関係を“面白い話”として歪めることは、教育そのものを茶化す行為であり、その被害は最終的に学校に残された子どもたちと沈黙を強いられる教師に返ってくる」と厳しく指摘している。
(記事提供=OSEN)
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