NewJeans(NJZ)めぐる諸問題でK-POPが危機?韓国音楽5団体が共同声明「成長を阻害、産業を萎縮させる」【全文】

2025年02月19日 話題 #NewJeans

韓国の音楽団体5団体が共同声明を通じて、ガールズグループNewJeans(NJZ)をめぐる諸問題によって「K-POP産業全体に影響を及ぼしている」と批判した。

【写真】NJZメンバーの入浴ショット

韓国マネジメント連合、韓国芸能制作者協会、韓国音楽レーベル産業協会、韓国レコード産業協会、韓国音楽コンテンツ協会の5団体は2月19日に声明文を発表し、ADOR元代表取締役ミン・ヒジン氏の記者会見、NewJeans・ハニの国政監査出席、グループの独自活動宣言などが続くなか、個別の紛争がK-POP産業全般の問題に拡大している点への懸念を表した。

また、5団体は来る2月27日10時30分より、「K-POPの危機、このまま大丈夫か? 約2200のレコード制作会社の提言/ “レコード制作会社がいなければK-POPもない!”」と題した記者会見を実施することも明らかにした。

5団体は今回の声明を通じて、特定の事務所とアーティスト間の対立が公論化される過程で、事実検証なく疑惑が広がり、これを基にした規制が導入されることで、業界全体が萎縮する危険が大きいと指摘した。

加えて、NewJeansの独自活動宣言といった事例のように、専属契約が維持された状態で起きる紛争が「K-POP産業の安定性を揺るがす要素として作用している」とし、一部の事務所とアーティストには無分別な世論戦を中断し、国会と政府には当該の問題に対する政策支援を進めることを訴えた。

なお、NewJeansのメンバーは昨年11月に緊急記者会見を実施し、所属事務所ADORとの専属契約解除を宣言した。最近では独自に開設したSNSアカウントを通じて新グループ名「NJZ」を発表するなど、メンバー独自の活動を続けている。

NewJeans
(写真提供=OSEN)NewJeans(NJZ)

「K-POP産業の継続的な成長を阻害」

以下、5団体の声明全文。

韓国マネジメント連合、韓国芸能制作者協会、韓国音楽レーベル産業協会、韓国レコード産業協会、韓国音楽コンテンツ協会の5つの音楽団体は、大衆文化芸術産業(以下、K-POP産業)の健全で持続可能な発展のために、一部の事務所やアーティストには根拠のない世論作りを通じて自身の利益を貫徹しようとする行為を中断することを、国会と政府には主要な対立の原因となる「タンパリング」根絶に向けた政策支援を進めてくれることを切に訴えます。

1.「事案の解決のため、世論戦ではなく、正確な事実検証及び関係者たちとの十分な協議を経て、法案の再改正が行われなければならない」

最近10カ月間続いたミン・ヒジン元ADOR代表(以下、ミン元代表)の記者会見及び世論戦、NewJeans・ハニの国政監査出席及びグループの独自活動など、特定の当事者が私的に解決しなければならない事案や紛争を、当事者間の協議や法的手続きなどを通じて解決しようとせず、世論戦と一方的宣言で事案を解決しようとする試みが流行のように広がっています。

特に、ミン前代表とNewJeansをめぐる対立状況は現在も続いています。

まず、我々は特定の事務所とアーティスト間の紛争自体を論じようとしているのではありません。私的当事者間の紛争が大衆へどちらか一方によって一方的に公表され、議論の種になる過程で、K-POP産業がどれほど致命的なダメージを受けているかをお伝えし、このような紛争の根本的原因を探し、解決しようとするものです。

K-POPは大衆の多くの関心を集めている産業なので、世論作りのための単純な疑惑提示だけで相当の期間、ポータルサイトやインターネットコミュニティ、SNSなどを占領することができます。

このような内容が適切な事実検証や反論、批判なく事実として受け入れられることもあります。国会や政府機関でも「K-POP産業自体に自浄能力がない」と誤解され、これをK-POP産業全般の問題と認識し、さまざまな規制を導入する事例が生じています。

一例として、2024年10月のNewJeans・ハニの国政監査出席以後、アーティストの職場内いじめ禁止法案が発議されました。

K-POP産業において、アーティストもやはりすべての勤労環境で当然のように尊重されなければならないことは確かです。ただし当時、一方では「話題性のためにK-POPアーティストが動員されたのではないか」という大衆の叱咤が激しく起こったことも想起する必要があります。

我々はより効用性のある制度を用意するために、法的根拠に基づいたアーティストの勤労者性の有無、アーティスト以外にほかのK-POP従事者の勤労環境など、業界の多様な声もまた一緒に聞いてくださることを切にお願いします。

今後も関連法案が産業全体の考慮なく通過すれば、結局は事件当事者の問題によってK-POP産業全体が頻繁な規制の影響に揺れることになり、予測不可能な規制環境に伴う被害は、K-POPを支える全参加者の被害として戻るでしょう。

前述の事例からもわかるように、K-POP産業は大衆の人気を基盤とした分野なので、特定のアーティストと関連した事案一つひとつが大きな話題性と議論を引き起こします。

大衆の人気が高いアーティストほど、彼らが提起した問題がK-POP産業全体の問題であるかのように一般化され、大衆に刻印され、事案に対する深刻性や法案制定の必要性よりも、アーティストの名声によって争点化される様相を見せ、産業界に対する過度な規制策の樹立につながる悪循環が繰り返されてきました。

一度規制が導入されてしまうと、K-POP産業の継続的な成長を阻害し、産業を萎縮させる効果をもたらすことがあります。

「“芸能マネジメント業”は完全に崩壊する」

2.「半導体産業の技術流出防止法のような音楽産業のタンパリング防止法案作りを訴えます」

昨年のNewJeansの記者会見は、アーティストと所属事務所間の私的紛争が濾過なくメディアへ過度に露出する契機となりました。

さらに、紛争中の事案に対する法的判断を受ける前に、独自活動を図るケースも出てきています。特に、K-POPを代表するアーティストの記者会見と独自活動は世論形成に影響を及ぼし、業界の混乱を煽り、K-POP産業自体を危機に陥れる状況にまで突き進んでいます。

もうこのような状況をこれ以上放置してはいけません。濾過されていない世論戦の共通の裏面に挙げられる「タンパリング」疑惑への対処が優先されなければなりません。

タンパリングは、アーティストの未来の価値だけに勝負をかけ、長期間にわたって莫大な投資を行い、アーティストが成功する可能性に対するリスクをすべて負担してきた事務所を一瞬にして崩壊させられる行為です。

しかし、タンパリングは非常に隠密に行われるため、その実体を証明することも難しいだけでなく、現時点でタンパリングから産業界を保護できる別途の法的制度がないため、その実体を明らかにしても、しっかりとした責任を問うことが容易ではない状況です。

最近では、せきを切ったかのように溢れ出るタンパリング疑惑が産業界を覆っている実情であるにもかかわらず、K-POP産業は何の制度的な保護もなく世論作りに巻き込まれています。現在は「タンパリング」でK-POP産業が深刻に脅かされかねないという危機意識を共感し、産業保護のために力を集めなければならないときです。

仮にタンパリングの試みが成功事例を作った場合、K-POP産業の世話役のような役割を担当する「芸能マネジメント業」は完全に崩れることになるでしょう。

これは単に国内事業者間の問題に限定されるものではなく、海外の巨大資本が介入し、K-POP産業が根こそぎ奪われる状況も十分に現実化することができます。

半導体産業だけで企業の核心技術と資産を海外に流出させる産業スパイが存在するわけではありません。K-POP産業の核心力量である制作ノウハウやIPがいくらでも流出され、奪われることがあり得るのです。

結局のところ、タンパリング防止の鍵は「専属契約の誠実な履行」です。専属契約が産業で持つ重要性を鑑みると、産業技術流出防止法を通じて半導体産業など国家核心技術を保護する各種制度的装置を用意したように、今後、専属契約を奪取してアーティストを引き抜きするタンパリング行為の実体を糾明し、専属契約の誠実な履行の雰囲気を造成する制度的支援策が必要でしょう。

さまざまな制度的装置を通じて、アーティスト自身に対する警戒心を喚起する必要もあります。

現在、所属事務所との契約が適法に解除されないまま独自活動をしているNewJeansの場合、最近になって新たな活動名を発表し、「新たなエージェントがいる」と公然と発表する状況まで至りました。契約が法的に保護されず、一方の宣言で破棄されると、K-POP産業は存続の基盤を失うことになります。

今後、国会と政府はタンパリング関連の紛争や論難が単なる産業利害当事者間の対立と思わず、大韓民国を代表する核心産業の一つであるK-POP産業の非常に重大なリスクであることを認知してくださるよう、改めて丁重にお願いします。

これまで、K-POP産業は2000年初めの違法ダウンロード市場や2020年代のパンデミックのような数多くの難関を賢く克服し、危機をチャンスに変えて成長してきました。

2025年は内部の分裂で共倒れの危機に瀕したK-POPが和合と疎通で危機を克服し、大韓民国の誇らしい文化産業に跳躍できる一年となれるよう、国会及び政府、各界各層の関心と支援を切に訴え、我々も最善の努力を尽くすようにします。

◇NewJeans(NJZ)プロフィール

2022年7月22日にミュージックビデオを公開し、「NewJeans」として電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートイン。所属事務所ADORとの紛争のなか、2025年2月7日にグループ名を「NJZ」に変更すると発表した。

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