入隊した人は誰でも5週間の新兵訓練を受ける。
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まず、新兵たちは身長・体重などの体格を正確に測定し、それを元に身体に合う活動服(生活するときに着る服)の支給を受ける。
さらに、改めて健康診断を受ける。ここで、今後の厳しい訓練を受けられる身体であるかどうかが判定される。
もし健康に問題があれば、病院で治療を受けることになるが、「とうてい軍務に耐えられない」と診断されれば帰宅を命じられる。
このように自宅に帰された人は、健康を取り戻した後に改めて兵役の義務を務めることになる。
続いて、知能検査や適性検査が行なわれ、軍服を支給される。自分の体格に合った軍服を着た新兵たちは、配属された連隊に出向き、ここで小銃を割り当てられる。
こうした準備期間を経てから連隊入隊式に臨み、本格的な新兵訓練が始まる。
重要なのが射撃訓練である。25メートル先の標的を正確に撃つための様々な訓練が続いていく。
さらに、敵の化学攻撃に備えたガス室訓練なども行なわれる。これは、本当に辛い訓練だ。特別な部屋で催涙ガスを浴びて辛抱する訓練だが、行なうのは1回だけでも非常な苦痛をともなう。
様々な訓練と並行して、救急法なども徹底して学んでいく。ケガを負ったときの処置や人工呼吸の方法などを身につけるが、これは、兵役が終わって社会に復帰した後も大変役立つ技術である。
それから、長期的な戦闘を想定した訓練に移る。特に大事なのが遊撃訓練だ。これは、山野を駆け回って敵に近づいて攻撃を加える訓練である。
無理な姿勢を続けることが多いので体力を消耗する。この訓練が終わると、本当に疲労困憊になる。続いて、野営訓練を行なう。これは野外でテントを張って宿泊する訓練だが、真冬に行なうと凍えそうなほど辛い。ここが試練なのである。
こうした訓練を段階的に行なったうえで、最後に行軍を行なう。
行軍は、重い装備を背負って20キロ前後の距離を早足で歩く訓練で、夜を徹して行なわれる。この訓練を通して仲間同士の連帯感が培われていく。
すべての新兵訓練が終わると、修了式に臨む。その後、いよいよ本格的な軍務が始まっていく。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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