韓国で整形手術中に死亡した香港セレブ…韓国整形外科病院の“危険な実態”とは

2020年03月23日 話題

香港の有名アパレルブランド「bossini」の創業者の孫娘がソウル江南(カンナム)で整形手術を受けて死亡し、病院と医療訴訟中であることが知られたなかで、問題の手術が行われた病院が整形外科病院ではなく、一般的な病院であり、院長も専門医でないことがわかり、波紋が予想される。

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先立って3月4日、香港メディア『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は「bossini創業者の孫娘ボニー・エビータ・ローの夫が、ソウル江南区に位置するA病院とその病院所属の医師2人、看護師1人を相手に、香港法院に損害賠償訴訟を提起した」と報じた。

ボニー・エビータは1月、韓国人ブローカーに紹介されたA病院で脂肪吸引と豊胸手術を受けていた最中、酸素飽和度が急激に低下するなどの重大な状況が発生し、急いで大病院に運ばれたが死亡した。

関連報道が出た後、韓国の整形外科手術の信頼性が急落し、安全性についても疑惑の目が向けられた。

(写真=ボニー・エビータ・ローSNS)

問題の病院は看板に堂々と「〇〇医院、〇〇整形外科、皮膚科」などと書いていたが、整形外科専門医が開設した専門病院ではなかった。だからといって違法営業でもなかった。

現行の医療法上、運営が可能な形態だった。

そういった内容は、韓国整形外科医師会が関連報道に対して、公式立場を発表しながら新たにわかった。

韓国整形外科医師会の苦悩

整形手術の需要が増え、韓国の開業医の中には専門とは関係なく、整形外科を診療科目とする医師が増えた。

問題は、実際の整形外科専門医は極めて少ないということだ。常識的に、専門医ではない医者が専門外の病院を開設し、診療するというのは危険に思えるが、これは違法ではない。

韓国整形外科医師会の関係者は3月23日、「整形外科専門医の数は非常に少ない。医師協会全体の会員数は13万人だが、そのうち整形外科専門医は2300人しかいない」と伝えた。

そして「現在、問題が発生しているのは整形外科や皮膚科だが、開業医全体と比較すると枝葉的な問題と見られ、医師協会や保健福祉部に継続的に問題提起しても解決が遅々として進まない状況だ」と、難しさを吐露した。

つまり現行の医療法は、整形外科を専門としていない医師も診療科目に整形外科を表示できるようになっており、整形外科の専門医が開院してもいない病院で、ボニー・エビータの事故が発生したというわけだ。

問題となるのは看板の文字サイズだけ?

通常、医科大学6年を卒業し、医師国家試験に合格すれば一般医となり、レジデント過程を終えて専門医の試験に合格すれば専門医となる。

韓国の医療法上、一般医が開院をするときに問題となるのは、看板の文字サイズくらいだ。

医療法施行規則第42条は「医療機関の名称表示板に診療科目を表示させる場合、診療科目を表示する文字のサイズを医療機関の名称を表示する文字サイズの2分の1以内にしなければならない」と規定している。

つまり医師免許を持つ医師、あるいは他の専門医が診療科目を整形外科と表示して営業しても、看板の文字サイズの規定さえ守れば、なんら問題にならない。

韓国整形外科医師会の関係者は、「以前から長らく問題とされてきた部分だ。開院される整形外科が多いため、一般の人が見ると、整形外科の専門医かどうか区別がつかず、どうにか区別できるように広報している」としながらも、「国民の健康権の侵害が発生する問題であるため、解決が急がれる」と話した。

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