コメディ演技で女優ハン・ソナにハマる人はどれほどいるだろうか。
かつてガールズグループSecretのメンバーとして芸能界に足を踏み入れたハン・ソナは、TVINGオリジナル『酒飲みな都会の女たち』（2021～2022年）シリーズ以降、着実にコメディジャンルの作品に出演している。
何度も同じジャンルの演技を維持すれば飽きられることもあるが、ハン・ソナにとっては杞憂に過ぎない。
7月31日に公開される映画『パイロット』（原題）でも、ハン・ソナの真価が発揮される。
ハン・ソナは、「女装をしてでも何とかして再び航空会社に入る」と誓ったハン・ジョンウ（演者チョ・ジョンソク）の妹ハン・ジョンミ役を演じる。職業はASMRビューティークリエイターで、小さくか細い声で五感を刺激しながら、完璧に近い化粧を見せる配信をする役柄だ。
一人で登場する場面では、ハン・ソナの個人技が画面を埋め尽くす。「ドドドドド」と言いおしろいを塗る動作や、多様な化粧品を振って塗る誇張された姿が笑いを誘う。多くのクリエイターを見て長所を最大限に引き出そうとした努力が輝く場面だ。
ハン・ソナは「私が出てくる場面はほとんどが面白かったです。今回は決心して笑わせる計画でした」とし、「現場でもどかしかったり、上手くいかなかったりした時は監督やジョンソクさんを捕まえて聞いてみました。毎回面白いアイデアが出てきました。羨ましくて驚異的でした。毎瞬間刺激を感じました」と話した。
『パイロット』は2年前に撮影した作品だ。TVINGオリジナル『酒飲みな都会の女たち』シーズン2と映画『マイ・スイート・ハニー』を同時に撮影していた時期だった。準備する時間は多くなく、最初の撮影からどこかこじれたという。
「スーパーでジョンソクさんとショッピングするシーンが初めての撮影でした。何か変で合わない感覚でした。私自身にとてもがっかりしました。その時からムードなどを考え、ずっと研究して準備しました。ユーチューバーごとに特徴があるんですよ。自然にその動作を練習しながら、キャラクターを作っていきました」
決意を固めたハン・ソナは、結果的に非常に多くの笑いを誘った。チョ・ジョンソクと一緒に笑わせたり、一人で笑わせたりもした。コメディだけは確かなカードだ。
「2年前に本当に忠実に演技をしていました。私が見ても、とても面白くて恥ずかしかったです。私がバラエティ番組もたくさん出演したし、見慣れているから、むしろもっとためらわずに笑ってくださったのではないかという気もしました。ジョンソクさんの脇を見た瞬間のリアクションは、実は“ヒョンタ（現実自覚タイム）”も来ました。ハハ」
ハン・ソナの強みの一つは、愛らしさだ。コメディ演技の時も、男優とロマンスを演じる時も、ハン・ソナは愛らしい。見ているだけで訳もなく笑みが浮かぶ。
おかげで、日本ではU-NEXＴで配信中のドラマ『遊んでくれる彼女』で、相手役のオム・テグまで輝かせた。偶然にも、ドラマの中の職業も“子ども向け動画クリエイター”だ。
「レファレンスをたくさん求める方です。いろいろな子ども向け動画クリエイターを探してみました。その中で目立つ独特な行動を参考にしました。クリエイターは衣装やヘアに集中しました。子供たちに近づきやすいイメージを持っていました」と話した。
ラブリーな演技もコメディも良いが、多少似たような雰囲気というのは残念かもしれない。ハン・ソナは低予算長編映画にも多数出演し、演技力を高めた。『遊んでくれる彼女』を手掛けたキム・ヨンファンPDは、2022年公開の映画『窓の外は冬』（原題）に出演したハン・ソナの演技を見てキャスティングしたと明らかにした。
そんなハン・ソナは、「最初は重い役柄をたくさんしていました。明るいキャラクターでキャスティングしていただいて、楽しく思いっきりやってみようという気持ちでした。俳優として、演技の変身は今日で終わるわけではないようです。宿題を乗り越えれば他の宿題がついてきますから。宿命だと思います。また新しいジャンルの作品に出会って好評を得たいという欲はあります」と、演技への熱意を語っていた。
◇ハン・ソナ プロフィール
1990年10月6日生まれ。韓国・釜山出身。身長162cm。2009年10月に4人組ガールズグループSecretの“末っ子”メンバーとしてデビュー。『Magic』『Madonna』『愛はムーブ』など数多くのヒット曲で愛された。2016年9月にグループから脱退し、翌10月に所属事務所との契約も終了。2014年のドラマ『神様がくれた14日間』から本格的に女優業をスタートさせ、『バラ色の恋人たち』『コンビニのセッピョル』『酒飲みな都会の女たち』『遊んでくれる彼女』などに出演した。バラエティ番組でも活躍中。
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