中国のオンラインファストファッションブランド「SHEIN」が、韓国でポップアップストア「スタイルインSHEIN」をオープンする。
【写真】発がん物質も…14万超の“偽ブランド品”が摘発、中国が約9万で最多
SHEINは現在、人気女優のキム・ユジョンを広告塔にマーケティングを強化しており、7月8日から14日にかけてソウル・聖水洞(ソンスドン)で多様なスタイルを包括するファッションアイテムを韓国の消費者に紹介する予定だと明らかにした。
中国の3大コマース(AliExpress、Temu、SHEIN)は現在、韓国市場を取り込むため、オフラインイベントの実施や人気俳優・モデルを広告塔に抜擢するなど攻略に勤しんでいる。 今回の初オフライン売り場も、主な消費層であるMZ世代が対象だ。
一方で、発がん物質、偽物の議論は依然として続いているだけに、SHEINがこのまま超低価格を武器にアピールしたとしても、継続は難しいと予測される。
7月4日、ソウル市はAliExpress、Temu、SHEINで販売中の子供用長靴、帽子、カバンなど12製品の安全性を検査した結果、6製品から基準値を超える有害物質が検出されたと発表した。特に、SHEINで販売されている子供用長靴からは、フタレート系可塑剤(DEHP、DBP)が検出されたという。
特に、長靴のリボンの装飾からは基準値の約680倍の可塑剤が超過検出されている。
可塑剤とは、プラスチックのような高分子物質に添加して柔軟性や加工性を高める物質。だが、精子数減少や不妊、早産など、生殖機能に影響を及ぼすことでも知られる。
SHEINの発がん物質を巡る議論は今年上半期から継続している問題だ。先立って5月にも、SHEINで販売されている子供用革製品の一部から基準値の428倍に達する有害物質が検出されたことがある。
当時、SHEINで販売中の子供用バッグなど革製品8つの安全性を検査した結果、7つの製品から有害化学物質が検出された。加えて、子供用レザーバッグ4つのうち1つからはホルムアルデヒドが基準値の1.2倍超検出された。ホルムアルデヒドは発がん性があり、呼吸困難や角膜損傷を引き起こす可能性がある物質だ。
残りの3つの製品では、フタレート系可塑剤が最大153倍検出。このうち2つの製品は鉛などの重金属の含有量も基準値を超えていた。
このように有害成分問題が解決されていないSHEINだが、ひとまず超低価格とマーケティング強化で韓国消費者の攻略に乗り出す。
ただ、韓国のファッション業界専門家は、「消費者に馴染みのある有名俳優を前面に出しても、中国コマースの発がん物質問題は収まっていない。韓国で成長曲線を維持することは容易ではないだろう」とし、「発がん物質の検出に対する立場を明らかにする前にオフラインイベントを開催することは、消費者への欺瞞に該当する」と指摘した。
◇キム・ユジョン プロフィール
1999年9月22日生まれ。韓国・ソウル出身。2003年にテレビCMで子役デビュー。可愛らしいビジュアルと優れた演技力を持ち、ドラマ『イルジメ~一枝梅』(2008年)、『トンイ』(2010年)、『太陽を抱く月』(2012年)など、数多くの作品でヒロインの子供時代を演じた。2016年に主演したドラマ『雲が描いた月明り』で子役から脱皮し、大人の女優として本格的に活動をスタート。2018年に甲状腺機能低下症を診断されて一時期休養したが、同年11月に放送されたJTBCドラマ『まず熱く掃除せよ』で復帰した。
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