「ソン・ジュンギさんの作品を見て、彼の演技に心を奪われた瞬間が何度もありました。 この俳優がぜひ主人公のロ・ギワンを演じてほしいと思いました」
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3月1日に公開されたNetflix映画『ロ・ギワン』を演出したキム・ヒジン監督は、主人公ロ・ギワン役でソン・ジュンギをキャスティングするために、7年ほど待った理由をこのように説明した。
この作品はチョ・ヘジン作家の小説『ロ・ギワンに会った』を原作に制作された。
2017年、キム監督は映画『ロ・ギワン』の初稿をソン・ジュンギに渡したが、断られた。 しかし、キム監督はソン・ジュンギに代わる俳優を探さず、他の仕事をしながら黙々と待っていたのだという。
キム監督は「『ロ・ギワン』でデビューするとは思わなかった。何年も心を閉ざしていたが、本当に良かった」と語った。
続けて、「ソン・ジュンギさんは真剣に取り組んでくれました。パンを食べるシーンも食事をしていないのかと思うほどに没頭されていて、溺れる場面ではスタントを使わずに直接されていました。彼の情熱が映画にそのまま表れています。台本の内容に納得いかなければ、数日悩んだ後、私と対話を交わしたりしました」とソン・ジュンギの演技力を褒め称えた。
『修学旅行』（2010年）、『MJ』（2013）、『私たちの隣人の物語』（2014）など、短編のインディーズ映画を演出してきたキム監督は、『ロ・ギワン』で長編デビューすることになった。
『ロ・ギワン』は、人生の最後の希望を抱いてベルギーに到着した脱北者“ギワン”と、人生の理由を失った女“マリ”がお互いに惹かれていく映画だ。作品の中の背景はベルギーだが、撮影はハンガリーで行われた。
「取材のためにお会いした方も、原作小説と同様にベルギーで難民の地位として認めさせようとする脱北民でした。ハンガリーとベルギーが似ている部分も多く、映画撮影で頻繁に使われる国なので、制作面で利点がありました」
ソン・ジュンギ、チェ・ソンウンをはじめ、チョ・ハンチョル、キム・ソンリョン、イ・イルファ、イ・サンヒ、ソ・ヒョヌなどが作品を輝かせた。キム監督は「スタッフの方々を含め、良い方々に短期間でたくさん会った」として、俳優とスタッフたちに功労を与えた。
小説を映画化しながら、ロ・ギワンとマリーのロマンスが映画後半部の主要軸に位置づけられた。一部では原作になかったマリのキャラクターが不自然だという指摘も提起された。
キム監督は「ロ・ギワンが去るのは最初から決まっていて、その理由は愛でなければならないという結論を下しました。マリはギワンを変化させる存在に設定したキャラクターです。限られた時間の中で扱っているうちに違和感を感じる方もいたのかと。ギワンとマリーのベッドシーンはたくさん悩みました。露骨に扱うのは、話の邪魔になることもあると思って、作品の全体的な雰囲気と調和するように演出しました」と説明している。
世の中に作品を出したばかりのキム監督は、周りの人々の反応を少しずつ傾聴している。次の作品では、キャラクターを緻密に扱う映画をやりたいという考えを伝えたりもした。
最後に、キム監督は「数日前のムービートークで観客の反応に感謝を感じました。癒された時間でした。観客たちがロ・ギワンの苦痛を特別だと感じずに、ロ・ギワンとマリー本来の姿を探してほしいです。次回作では、キャラクターを深く扱える作品を撮影したいと思います。キャラクターをめぐって俳優たちと対話し、作っていく過程が楽しみです」と話している。
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