公開された映画『白頭山』で、再び圧倒的な演技力を見せつけた俳優イ・ビョンホン。
映画の終盤に深く余韻を残す彼の演技は、観客を頷かせた。
毎回、人々を驚かせる演技の秘訣は何かと聞くと、イ・ビョンホンは照れながら「良い目薬を使っている」と、冗談を飛ばした。
【前編】イ・ビョンホンが『白頭山』の出演を決めた理由は?「商業映画として満足」
他の俳優たちから「イ・ビョンホンの集中力は凄まじい」という話がよく伝わることに対し、彼は謙遜する。
「私もはたから見れば突然スイッチを切り替えるように見えるかもしれないが、休憩時間に雑談をしながらも(感情の)一定レベルは維持している。私も極端にはできない。表面上では見えないが、実は内面でもがいている。人が感情を簡単に変えられないのは、全ての俳優が抱える難しさなのではないだろうか」
普段、どんな方法で役作りをするのかと聞くと、「時間を費やして研究したり勉強するタイプではない」と言う。
「その代わりに脚本を読んで全体的なストーリーと監督が話したいこと、キャラクターの役割や目的、見せたいものなどを客観的に把握するのが大事。その次に主観的にキャラクターを解釈して感情を作っていく。台本はセリフを覚えるとき以外は特に見ない」
イ・ビョンホンの俳優人生において、転機になったと自ら思う作品は何か。彼は迷わず映画『甘い人生』(2005年作)と答えた。
「『甘い人生』を通じてハリウッドだけでなくヨーロッパの映画関係者にも私を知らせるきっかけになった。アメリカのエージェントも出来てハリウッド作品に出演した。そして作品的にも、ノワールのキャラクターに対するファンが集まった」
韓国のみならず、ハリウッドでも活躍しているイ・ビョンホンは、すでに再来年までスケジュールが埋まっているという。
「悩んだ末に出演をやめた作品もあるし、気に入ったハリウッド作品がなくて韓国作品の出演を決めたら、急にハリウッドで良いオファーがくる時もある。思い通りにいかないものだ。俳優として消耗される感じもあるし、リフレッシュしたい時もある。エネルギーを満たして『よし、頑張ろう』という状態が理想的なのだが、作品というのはスケジュールが決まっているから、正直なところ、自分の意志とは関係なくやることもある」
いまや韓国を代表する俳優である彼に、俳優としての悩みはあるだろうか。
「年齢を重ねながらどう変わっていくか気になる。ある意味期待しているのかもしれない」とし、「ある作品に出演が決まったら、人々から『楽しみ、早く見たい』と言われる俳優としてずっとやっていきたい。誰だって人生には波があるだろうが、私の俳優人生はみんなに『すごく待ち遠しい』と言われるものになってほしい」(了)
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