ユン・ジョンビン監督は「初めてテーマに接したとき、興味深いと思ったが、実際の映画の台本は初めて感じた興味深い部分がたくさん抜けた感じだった。膨大な物語を2時間の呼吸で盛り込むのは大変だと思い、シリーズにしてはどうかと思った。そのタイミングでちょうどNetflixと作業することになった」と明らかにした。
何よりも同作はハ・ジョンウ、ファン・ジョンミン、パク・ヘス、チョ・ウジン、ユ・ヨンソクと、名前だけでも有名なラインナップで関心を集めている。
ユン・ジョンビン監督は、「ファン・ジョンミン先輩と『許されざるもの』(原題)の試写会のとき、必ず一緒にやりたいと話していたが、それが実現した。とても長い時間が経った。少し胸が熱くなった」とし、「出演陣のエネルギーはすごかった。うっとりとした現場だった」と話した。
『H.I.T.-女性特別捜査官-』以来、15年ぶりにお茶の間を訪れるハ・ジョンウは、誠実で手腕の良い民間人事業家カン・イング役を引き受けた。カン・イングは大金を稼ぐために訪れたスリナムで新しい事業を始め、事件に巻き込まれる人物だ。
ファン・ジョンミンは希代の詐欺師であり、麻薬王チョン・ヨファンに扮する。チョン・ヨファンは韓国人教会の牧師として身分を偽装しているが、コカイン流通で富と権力を享受する人物。韓国にもコカインを搬入しようとして、カン・イングと絡むことになる。
そんなチョン・ヨファンを検挙するために、カン・イングの事業パートナーを自任する国家情報院の要員チェ・チャンホは、『イカゲーム』で世界的な俳優に浮上したパク・ヘスが演じる。チョ・ウジンは、チョン・ヨファンに忠誠を尽くす朝鮮族出身の伝道師ビョン・ギテに、ユ・ヨンソクはチョン・ヨファンの顧問弁護士デビッド・パクに変身する。
ハ・ジョンウをはじめパク・ヘス、チョ・ウジン、ユ・ヨンソクは、長い間、ファン・ジョンミンとの共演を夢見たと口をそろえた。
ハ・ジョンウは「大学を卒業して初めてマネジメントに入ったとき、(ファン・)ジョンミン先輩に会ったのだが、本当に気遣ってくれた。特に記憶に残るのは、ユン監督と2005年の冬に『許されざるもの』の初試写をしたときも参加して、励ましてくれたが、その時からヒョン(兄さん)と作業することを夢見てきた。こんなに時間が長くかかるとは思わなかった」と話した。
するとファン・ジョンミンは「(ハ・)ジョンウと以前から作業したかった。見るたびに、“私たちはいつ一緒にやるの?”と言ったが、最終的にユン監督の作品で共演することになった。組み合せをうまく作ってくれて、本当に感謝している」と答えた。
これに負けまいと、ユ・ヨンソクは「2003年の『オールド・ボーイ』の撮影の時から本当に夢見てきた。こうやって一堂に会し、特に制作発表会の席でお会いできてとても感慨深い。冗談ではない。軍隊にいたときも先輩の作品を上映してくれた。除隊して、必ず一緒にやりたいと言った。2005年度だった」と力を込めて話した。パク・ヘスもやはり、「1997年から先輩と共演することを夢見た」と話し、チョ・ウジンは「今も夢のようだ。ずっと夢を見ているようだ」と冗談を口にして笑いを誘った。
何よりも彼らはユン・ジョンビン監督が誰よりもキャスティングしたい俳優たちだった話し、期待を高めた。特にチョ・ウジンのキャスティング秘話が独特だった。
チョ・ウジンは「映画『金の亡者たち』の技術試写が終わった打ち上げの場で、ユン監督に会った。監督が台本もできていない状態だが作品を準備すると、どんなキャラクターでも一緒にやってほしいと気持ちよく言ってくれた。そして紙幣を1枚取り出して、サインをされた。今すぐ契約しようとおっしゃった。裏返して私もすぐにサインして、破って分け合った。それを額縁に入れておいた。1万ウォン(約1000円)だった」と話した。ユン監督は、このような契約方式はファン・ジョンミンから学んだと付け加えた。
ハ・ジョンウとファン・ジョンミンは台本が持つ力に絶対的な信頼を表わした。ハ・ジョンウは台本の第一印象について、「実際に物語が与える力が大きいと考え、韓国人が外国で麻薬商をしているということが劇的だと思った。作品にするとおもしろそうだと思った。この話が与える力があると思って、いつか作られるだろうと思った」と明らかにした。
ファン・ジョンミンは「一編の良い本を買ってとても気に入って、紹介もし、プレゼントもしてあげたいときがあるではないか。あまりにも良い本を読んでいると、次のページを読むのがもったいない。そうやって進むエネルギーが、この作品にはある。1部が終わって、すぐ次が気になって読んでしまうような作品だった」と自信を示した。
エキゾチックな風景も見どころのひとつだ。しかし、その背景を作るまでの過程は、容易ではなかった。新型コロナのせいだった。
ユン・ジョンビン監督は「もともと多くの部分をロケで撮影しようとした。最初は涙が出たよ。どうすればいいのかと思った。その時、家族で済州島に旅行した。妻と散歩していて、ふとここを南米に作ることはできないだろうかと考えた。帰って、撮影監督と美術監督に済州島を南米に作ってみようと言った。ヤシの木を買ってきて植えて、植物を栽培してみようと言った。代案がないのに、できないことはないと話した。実際にやってみると、ほとんど似ていたよ。CG(コンピューターグラフィック)の助けもたくさん受けた」と説明した。
作品は190カ国余りに公開され、世界中の視聴者たちと会う。ユ・ヨンソクは「久しぶりに家族で集まって私たちのドラマを見ながら、マフィアゲームを楽しんでほしい」と強調した。ファン・ジョンミンは「爆発的な反応を望む」としながらも、「秋夕(チュソク)はとても幸せな日だ。『ナルコの神』を一緒に見るというのは、ちょっとあれだと思う。一人で、夜に個人的に見てほしい」と言って爆笑を誘った。
ハ・ジョンウは“つまみ”や“おかず”のような作品になることを願い、チョ・ウジンは「“隠れて見る名作”だ。物語の構造や人物関係などに、この作品だけの特色がはっきりある」と話した。
大きな期待がかかる『ナルコの神』は、9月9日にNetflixで配信される予定だ。
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