テレビや映画といった大衆文化にまで、“日本不買運動”の影響が及んでいるようだ。
韓国では現在、日本政府の輸出規制に反発して、日本製品不買運動や反日感情が広がっている。日本旅行や日本製品のボイコットが続くなか、テレビや映画においても“日本不買”の雰囲気が反映されている。
これまでテレビの旅行番組の撮影地といえば日本が1位だったが、最近は日本の影が見当たらない。『バトル・トリップ』(KBS2)や『ザ・チャンネツアー』(tvN)では、タイやカザフスタンといった国に集中している。
日本ドラマを原作にしたリメイク作品に対しても、意見が出ている。リメイク作品に対して、視聴者が「見ない」という反応を見せているのだ。
【2019年版】韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。えっ、あのドラマまで!?
日本で2014年に放送された『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』をリメイクした『平日午後3時の恋人』(チャンネルA)は、1%台の視聴率だ。日本ドラマが原作という点が影響を与えているとの見方がある。
あるテレビ関係者は「日本不買運動が広がっているため、テレビ番組についても慎重になっている。国民情緒に関係するだけに、日本を題材にしたり、関連したりする内容で非難されないように、慎重になっている」と述べた。
映画界でも、日本不買運動の情緒が反映されている。
抗日運動や慰安婦被害者の話が盛り込まれた作品がスクリーンで公開を控えており、大きな関心を集めているのだ。最も大きな注目を浴びているのは、8月7日に公開される映画『鳳梧洞(ポンオドン)戦闘』(ウォン・シンヨン監督)といえる。
1920年6月、独立軍連合部隊が日本軍を相手に大きな勝利を収めた「鳳梧洞戦闘」を扱った同作品は、悲痛な歴史ではなく、日本に抵抗して勝利した彼らの姿を描いたという点で、歓迎されている。
映画関係者は「俳優ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨルなどの豪華ラインナップと、演出力で認められてきウォン・シンヨン監督の出会いによって、以前から期待作だった。そこに最近の反日感情が続き、大きな恩恵を受ける作品として期待される」と述べた。
慰安婦被害者の話が盛り込まれたドキュメンタリー映画も公開されている。7月25日に公開された『主戦場』(ミキ・デザキ監督)は、予想以上の話題を集めた。メガホンを取った日系アメリカ人ミキ・デザキ監督が安倍晋三首相に言及して、話題になったりもした。公開初日、独立・芸術映画の座席占有率1位という成果を収めた。
来る8月8日に公開される『キム・ボクトン』(ソン・ウォングン監督)もまた、慰安婦被害者であるキム・ボクトンの話と、日本からの謝罪を受けるために努力してきた活動が込められた作品だ。最近の国民情緒と作品のメッセージが重なり、クラウドファンディングでは2日間で目標の1000万ウォン(約100万円)を達成し、俳優チョン・ウソン、キム・ウィソンなど、多くの有名人がSNSリレーキャンペーンに参加するなど注目を集めている。
そんな流れのなかで、芸能人たちもSNSやテレビ放送を通じて日本不買運動への参加を宣言している。
『花より男子』に出演した女優イ・シヨンは最近、SNSに「卓球用品をすべて韓国産に変えた。知らなかったが、私が使う卓球用品のほとんどが日本製品だった」という文を掲載した。また芸人ヤン・セヒョンはラジオ番組に出演し、日本不買運動の話が出ると、「韓国国民であればみんなすること」と述べた。チョン・ジュン、キム・ジェウク、オ・ジョンテなども所信を表わしてしている。
日本は韓流において大きな市場であるだけに、芸能人たちも慎重になるしかないが、日本不買運動が汎国民的な運動に広がっていくなかで、声を上げる芸能人が増えてきた印象がある。
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