睡眠麻酔薬プロポフォールの常習投薬容疑で執行猶予を宣告された歌手フィソンが、コンサートを開催するなど活動を再開した。
2002年の『Can't We』で韓国音楽界に彗星のように登場したフィソンは、『The story that can't be told』『With Me』『Incurable Disease』『Insomnia』など多くのヒット曲を発売し、韓国を代表するR&Bボーカリストとして音楽ファンに愛された。
ただ音楽的な実力とは異なり、これまでフィソンは各種事件・事故で議論を巻き起こした。特にプロポフォール投薬疑惑が何度も浮上し、彼の足を引っ張った。
フィソンのプロポフォール疑惑が初めて浮上したのは、2013年の兵役当時だ。彼は睡眠麻酔薬であるプロポフォール投薬の疑いで、軍検察から調査を受けたが、病院治療という目的が認められて「嫌疑なし」の処分を受けた。
議論は一段落したが、2019年にタレントのエイミーが過去に自分が芸能人Aさんと一緒にプロポフォールを投薬したと暴露し、その“Aさん”がフィソンだと指摘され、再び疑惑が浮上した。フィソン側は「まったく事実ではないことをはっきり申し上げる」と否定し、録音まで公開したりした。
しかし翌2020年3月、フィソンはプロポフォール常習投薬の容疑で再び警察の捜査を受けることになった。警察は当時、麻薬業者を検挙して捜査しており、フィソンがプロポフォールを多量投薬したという陳述や物証などを確保して捜査に乗り出した。
そのニュースが伝わってから数日後、フィソンがソウル松坡(ソンパ)区の建物のトイレで睡眠麻酔類の薬物を投薬した後に意識を失い、警察が出動する事件が発生した。
これと関連して所属事務所側は、「フィソンは父親が突然この世を去り、一緒に働いていた知人まで相次いで死亡し、そして昨年に巻き込まれた事件によって大変な時間を過ごしている」とし、「帰宅措置後も極端な考えとうつ病、パニック障害などの症状を見せており、関連病院への入院を進めた。理由を問わず、良くない姿をお見せした点について後悔しており、申し訳ない」と伝えた。
その後、フィソンは麻薬類管理に関する法律違反の疑いで不拘束起訴され、2021年3月の1審で懲役1年、執行猶予2年を宣告された。検察は量刑の不当さを理由に1審判決を不服として控訴したが、裁判部は昨年10月に開かれた控訴審でも原審と同じように懲役1年、執行猶予2年、追徴金6050万ウォン(約605万円)が宣告され、社会奉仕40時間、薬物治療講義40時間の受講が命じられた。
それからフィソンは自粛に突入した。しかし自粛から2カ月も経っていない昨年12月、彼がクリスマスコンサートを開いて活動を再開するというニュースが伝えられた。一部からは復帰が早すぎるのではないかと非難の声を上がった。それにもかかわらず、彼は今年2月13日にも「バレンタインコンサート」を開き、もう一度ファンに会って完全復帰を知らせた。
さらにIHQ dramaチャンネルとMBNで放送されるドラマ『スポンサー』(原題)のOSTにも参加し、3月2日には『FANTASY』の音源を公開して音楽界に帰ってきた。
今年デビュー20周年を迎えるフィソンは、SNSを通じてレコーディング中の近況を公開するなど、本格的な活動に乗り出している。薬物疑惑で汚れた彼に対する大衆の視線が変化するのか、注目が集まる。
(記事提供=OSEN)
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