Netflixでも配信されたSBSドラマ『その年、私たちは』に出演した俳優キム・ソンチョルが、放送終了の感想とともに“キム・ジウン”に別れを告げた。
韓国で1月25日に最終回を迎えた『その年、私たちは』は、別れた恋人が10年前の高校時代に出演したドキュメンタリーの人気によって強制的に再会することから繰り広げられるラブコメディ。愉快でときめく青春男女のリアルな恋愛模様が視聴者の共感を呼び、口コミで評判が広まった。
キム・ソンチョルは、作中でチェ・ウン(演者チェ・ウシク)の友人であり、クク・ヨンス(演者キム・ダミ)に片思いする“観察者”キム・ジウン役を演じ、毎話で深まる感情を細かく表現し、多くの人々に愛された。
キム・ソンチョルは切なさを感じる片思いの演技で多くの視聴者から共感を得たのはもちろん、幼少期の“愛情不足”を乗り越えながら成長する姿で、現実を生きる若者に温かな慰めを届けた。目つきや表情、声色だけでキム・ジウンの複雑な感情変化を完璧に演じきったとし、高い評価を受けている。
以下、キム・ソンチョルとの『その年、私たちは』に関する一問一答。
◇
―『その年、私たちは』を終えた感想が知りたいです。
自分が出演したドラマではありますが、とても面白く、終わってしまうのが残念です。彼らの話がもっと出たら良いですが、見送る時が来ましたね。その年、私たちは“幸せだった”。
―“キム・ジウン”というキャラクターを表現しながら良かった点、大変だった点は?
ジウンと初めて台本で接したとき、演技するとき、実際の放送で見たときとで、感じるものがまったく違いました。僕がイメージしていたジウンを完成させられず惜しい気持ちがあります。良かった点は、監督が目に見えないジウンの本音まで、視聴者の方々が理解できるようしっかり見せてくれたことです。大変だった点は、僕が(感情を)表現するキャラクターに慣れていたので、ずっと隠していることですね。
―キム・ジウンと自身のシンクロ率は?
シンクロ率は30%程度だと思います。僕は自分の感情や考えを表現することに慣れていますが、ジウンはそうではありません。でも、口を閉じたいときは閉じている点がジウンと似ていますね(笑)。
―「サブ病(主演より助演に好感を持つこと)」にかかった視聴者も多いと聞いています。キム・ソンチョルさんが思うに、キム・ジウンというキャラクターを3つのキーワードで表現すると?
一途、線を越えない子ども、有能なPD。
―チェ・ウシクさんやキム・ダミさんなど、共演俳優との呼吸も良かったと思います。点数を付けるなら何点ですか?
100点です。撮影をともにした先輩、後輩、同僚の俳優、スタッフの皆さんが本当に素晴らしい方々で、おかげで現場型の仕方です。特に、僕はチェ・ウシクさん、キム・ダミさんのような俳優と作品をともにすることができて光栄で、たくさん学びましたし、とても幸せでした。
―メイキング映像を見ると、撮影現場の雰囲気が良かったように思いました。記憶に残っている現場でのエピソードはありますか?
第9話のエンディングシーンで、ウンとヨンスが友達になることになった日、ジウンが真夜中に突然訪れるシーンがあります。そのシーンを撮るとき、2人の立っている姿がすごく可愛かったんです。だから笑いが止まらなくて。ジウンはどこか落ち着かない状態でウンを訪ねるのですが、(その演技に)集中しにくかったというか(笑)。こんなささやかなエピソードが多いです。作中の僕たちのストーリーのように。
―「どうせ計画通りにならないのなら、計画が必ず必要なのだろうか」「一人が好きなのは最初は大変だ。でも、慣れれば大丈夫」など、片思いの名台詞が話題になりました。最も記憶に残るセリフやシーンを挙げるとしたら?
僕のセリフよりも、ウンが言ったセリフが記憶に残っています。「明日はお前が知らないふりを知ろ」とか、「僕を捨てないで」というセリフも良かったです。僕のセリフにたくさん共感してくださって、愛してくださってありがとうございます。
―ジウンは結局、クク・ヨンスに直接告白することができませんでした。気持ちを伝えられなかった理由は何でしょうか。もしキム・ソンチョルさんならどうしますか?
気持ちを伝えたところで気まずくなるだけですし、「わざわざ友達の彼女にそんなことをする必要があるのか」と考えたんだと思います。自分の心だけを整理すれば良いのですから。僕がジウンで、ウンみたいな友達がいたとしたら、僕も告白はしなかったと思います。
―キム・ジウンとチョン・チェラン(演者チョン・ヘウォン)のカップルを応援した人も多かったようです。2人はその後、どうなったのでしょうか。
“開かれた結末(結末を明白にせず、視聴者の想像に任せるエンディング)”で終わりましたが、ハッピーエンディングであることを願っています(笑)。
―ジウンと母親の関係性も印象深かったようです。死ぬ前にドキュメンタリーを撮ってほしいという母親の言葉を聞いたとき、ジウンの感情は怒りと悲しみのどちらに近かったのでしょうか。
悲しみに近かったです。怒るにはあまりにも時間が経ってしまい、感情もたくさん消耗してしまったため、虚脱した感情が大きかったのでしょう。それでも、一抹の希望を持っていたジウンを見ると、やはり家族の愛が偉大に思えますね。
―キム・ジウンというキャラクターを見ながら、キム・ソンチョルさんの目つきや表情、声などに集中することができ、「感情コントロールが本当に上手な俳優だな」と思いました。感情に打ち込む秘訣はありますか。
その状況に集中すると、感情が自然とこみあげてくるようになります。「自分がああいう状況だったらどうだろう」から始まり、「ジウンならどうやって感情が動いただろうか」「ジウンならどう表現しようか」と考えて、そのシーンに臨みました。
―『その年、私たちは』が視聴者にとってどんな作品として記憶されることを願っていますか?
僕たちの作品はロマンスドラマではありますが、成長ドラマでもあります。それで、キャラクターごとに持っている“欠乏”を埋めていき、成長していく姿を見ながら慰めになってくれればと思いましたし、やっぱり僕たち出演者が愛しかったので(笑)。愛しいドラマとして残ってほしいですね。
―次回作にはミュージカル『DEATH NOTE』を選びました。特別な理由はありますか。
舞台が与えるエネルギーは、ほかでは感じられないエネルギーだと思っています。それがとても懐かしくて、是が非でもやりたい作品だと思ったので決心しました。最近は毎日のようにワクワクしていて、上手くやり遂げられるか心配にもなり、楽しみにもなります。頑張って準備して皆さんのところに戻ってくるので、ミュージカル『DEATH NOTE』への関心と愛をお願いします。
―『その年、私たちは』とキム・ジウンを愛してくださった視聴者の方々に一言をお願いします。
昨年12月から8週間、一緒に過ごして多くの愛を送ってくださった視聴者の方々のおかげで、僕も幸せな2カ月間を過ごせました。昨年3月頃からジウンを準備し、ほぼ1年間をジウンとともにしましたが、その時間がとても大きな愛として戻ってきたことが感激で、感謝したいです。
事前インタビューで「マンクァンブ(“多くの関心をお願いします”の韓国語の略語)」「マンサブ(“多くの愛をお願いします”の韓国語の略語)」とたくさん呼びかけましたが、その甲斐があったようです(笑)。『その年、私たちは』でお会いした皆さんとご一緒できたことがとても光栄でしたし、この場を借りて感謝の言葉を申し上げたいです。
皆さん、ジウンはこれから幸せに暮らすそうです。心配しないでください!
■【写真】「本当にヨンス?」『その年、私たちは』キム・ダミが見せた“大胆ドレス姿”
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