6組のK-POPグループが激突中のオーディション番組『Kingdom』、公平性は保たれているのか

2021年04月23日 話題

王座を目指す競争が歪められている。

韓国Mnetで4月1日から放送されているオーディション番組『Kingdom:Legendary War』(原題)は、昨年人気を集めた『Queendom』(原題)のボーイズグループ版だ。

【写真】『Kingdom』出演中のボーイズグループ6組

『Road to Kingdom』を通じて進出を決めたTHE BOYZをはじめ、Stray Kids、BTOB、ATEEZ、SF9、iKONの計6グループが王座をかけて競争を繰り広げている。

「Legendary War」という副題の通り、K-POPを代表する男性アイドルたちが自分のプライドをかけ、戦争を彷彿とさせる競争を繰り広げており、高い話題性を誇っている。視聴率は決して高くないが、消費者のオンラインの反応を集約するコンテンツ影響力指数(CPI)は、第2話までで総合1位を占めた。

ただ放送前から浮上していた公正性の論議は、未だに解消されていない。

第1ラウンドの不公平は解消しない?

先立って『Kingdom』は、一部のグループにだけ高価な舞台セットや小物を準備したという事実が知らされ、公正性の論議が巻き起こった。

(写真=Mnet)上からBTOB、iKON、SF9

当初、すべてのチームの舞台制作費が500万ウォン(約50万円)と発表されたにもかかわらず、一部のグループは上限を超える舞台セットを使用したことが知られ、“恩恵”を受けたとの疑惑まで浮上した。

番組制作陣は“特定グループの後押し”はなく、第2ラウンドから6グループが相互協議しながら進行すると解明。今では上限自体がなくなり、セットの準備時間やリハーサル時間を同一に適用することがわかった。

しかし問題は、制作スタッフや出演者が意図しようがしていまいが、第1ラウンドは公平ではない状態で行われたという点だ。

『Kingdom』は全4回のコンテストを行い、そのうち生放送の競演を除外したコンテストは、出演陣の自己評価25%、専門家の評価25%、グローバル投票40%、動画再生回数10%の比率でスコアを算定する。他のサバイバル番組とは異なり、ラウンドごとに脱落者が出るのではなく、すべてのコンテストの結果を合算して最終的な優勝者が決定されるのだ。

だからこそ今回の不公正の問題を見逃すことはできない。第1ラウンドの小さな点差が最後に大きな影響を与える可能性があるため、むしろその数字を除外するほうが今後に大きな問題を発生させない方法ではないだろうか。

だが『Kingdom』は、VCRの活用や音源の長さを増やすなど、他の方法でそれを補償しようとしている。これは現実的な選択肢になることがないが、制作スタッフの立場では、第1ラウンドの結果を放棄することになれば、それに伴う悪影響も出てくるため、まともな選択ができない状況だ。それでも今のうちに明確な対策を用意しなければ、とんでもないラストに直面する可能性があることは間違いないだろう。

(写真=Mnet)上からTHE BOYZ、Stray Kids、ATEEZ

謎に包まれすぎた30人の専門家評価団

『Kingdom』のもう一つの問題として提起されているのは、プロデューサーや作詞・作曲家、評論家、振付師、ミュージックビデオ監督など30人の業界関係者で構成された専門家評価団だ。

制作陣は公平性のために、彼らのリストを番組放映終了後に公開すると発表したが、その態度では信頼性を確保できないとの指摘も出ている。関係者が誰かを明らかにしなくても、どの職種の人がどのくらいの割合で参加しているかという情報くらいは、伝える必要があるのではないかとの主張だ。

特に第3ラウンドまで全体評価の25%を占める専門家評価団のスコアが、本当に公正なのかという疑問も出ている。そして彼らが現場でステージを直接見るのではなく、生中継の方式で評価を下すため、映像の画質が悪くてディテールを見ることが難しく、音響にも問題があるとの指摘もある。

一部では何を見て判断しているかが重要だが、結局は画面が派手なグループに良いスコアが入るしかなく、映像を編集する制作陣と舞台制作費が重視されると不満の声が上がっている。

デビュー10年目のBTOBから最年少のATEEZ まで、6組のK-POPボーイズグループが真剣勝負を繰り広げる『Kingdom』は、実際に最初から異なる目的を持った主体が集まった戦場だ。

番組を制作するCJ ENMとMnetが得ようとするものと、番組MCを含めた7の芸能事務所が得たいものはイコールではないだろう。複数の利害関係が絡んでおり、どちらか一方が優位にあるとすることも難しい。

ただしK-POPの伝説的なステージと自称して彼らを集めたMnetは、中心を持って水平をとる役割を果たすべきだが、今現在は物足りなさが残る。これから行われる競争とアイドルの汗が公正に評価されるよう、Mnetの責任ある態度が求められている。

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