俳優ソン・ジュンギが帰ってきた。
2年近く空白期があったソン・ジュンギが相次いで映画やドラマに復帰し、うれしさも倍になった。さらに成熟した演技力とビジュアルで、一気に注目を集めている。
ソン・ジュンギは去る2月5日、Netflixを通じて全世界に公開された映画『スペース・スウィーパーズ』(チョ・ソンヒ監督)で、『軍艦島』以来4年ぶりにスクリーンに帰ってきた。
『スペース・スウィーパーズ』は、『私のオオカミ少年』で縁を結んだチョ・ソンヒ監督との再会作だ。韓国初の宇宙SF映画『スペース・スウィーパーズ』では、自分の目的のためにお金になんでもするテホを演じたが、最終的には宇宙と地球を救うヒーローとして活躍した。
デビュー後、初めて引き受けた父親の役割だが、その演技もソン・ジュンギ特有の“淡白さ”で消化し、さらに成熟した姿を見せた。
続いて2月20日に放送が始まったドラマ『ヴィンチェンツォ』で、ドラマにも復帰した。
ソン・ジュンギはイタリアのマフィア弁護士であり、韓国に帰ってきて複数のトラブルに巻き込まれる人物ヴィンチェンツォ役を引き受けた。キャラクターの特性上、ドラマ序盤はイタリア語での演技が多かったが、違和感なく駆使した。
『スペース・スウィーパーズ』も『ヴィンチェンツォ』も、ソン・ジュンギに俳優として新しい挑戦が求められた作品といえる。
両作品ともジャンルもキャラクターも異なるが、“意外なヒーロー”という点では共通点がある。『スペース・スウィーパーズ』のテホ、『ヴィンチェンツォ』のヴィンチェンツォは、いずれも自分以外に関心がないようだが、決定的な瞬間に大きな力を発揮する人物だ。
ソン・ジュンギのアクションと若干のコミカルな演技を見ることができる点も新鮮だ。ソン・ジュンギもメディアとのインタビューを通じて、「僕も優しいほうではないようだ。自分ではよくわからないが、周囲からは“ツンデレ”という言葉をたくさん聞く」と、キャラクターとの同一性を部分的に認めている。
彼が注いだ努力を証明するかのように、結果も出ている。
『スペース・スウィーパーズ』は公開と同時に、26カ国の映画ランキング1位を占めており、2週間近くトップをキープした。『ヴィンチェンツォ』も初回から視聴率7.7%(ニールセンコリア、全国基準)を記録し、同時間帯の1位を巡航中だ。
何よりもソン・ジュンギの演技の変身が目立つ。“俳優ソン・ジュンギ”を思い浮かべると、漠然とロマンスのイメージが強く感じるが、これまで彼が歩んできたフィルモグラフィーを見ると、挑戦の連続だ。
韓国で初めて“狼少年”になっており、『アスダル年代記』では一人二役を消化した。『スペース・スウィーパーズ』『ヴィンチェンツォ』でも、情けない姿を演じるなど、ビジュアル的に壊れることをまったく恐れていない。
そんなソン・ジュンギの賢い選択が今回も通じたといえるだろう。韓国初の“狼少年”になった20代半ばの俳優は、今では韓国初の宇宙SF映画の主役となり、韓国ドラマでは簡単に見られなかったマフィア、ダークヒーローなどにも挑戦して成功を見せている。
ソン・ジュンギも映画やドラマの公開に先立ち、「次々と大衆と向き合うことになった。僕もまた新しいものに惹かれるようだ」と期待感を表わした。
意図したわけではないだろうが、同時期に異なる2作品を披露し、俳優ソン・ジュンギの存在感を自ら立証することにもなった。『スペース・スウィーパーズ』の撮影当時、「自暴自棄」の心情だった語ったソン・ジュンギは、自ら長いトンネルを抜け出し、完璧な帰還を知らせた。
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