ILLITの日本人メンバー、MOKA(モカ)とIROHA(イロハ)がデビューから1年を経てより成長した姿を披露した。
ILLITは6月16日16時、3rdミニアルバム『bomb』の発売を記念して、韓国ソウルのYES24ライブホールでメディアショーケースを開催した。
メンバー5人はこの日、定刻の時間になるとMCの呼びかけに応じてステージに登場。“魔法少女”をコンセプトにした新アルバムの世界観をそのまま具現化したような、ピンクを基調とした衣装に身を包み、洗練された佇まいで華やかなフォトセッションに応じた。
グループのフォトタイムを終えたメンバーたちは、取材陣とオンライン視聴者に向けて明るく挨拶。
「こんにちは、ILLITです!」
笑顔で手を振る彼女たちの表情からは、デビューからの成長と、新たな音楽を届けることへの期待があふれていた。
今回のショーケース最大の見どころは、3rdミニアルバム『bomb』のタイトル曲『Billyeoon Goyangi(Do the Dance)』の初パフォーマンスだった。
フレンチハウス調のビートに乗せた幻想的なストリングスが印象的なこの楽曲は、日本のアニメ『ファイブスター物語』のOST『優雅なる脱走』をサンプリングし、初デートの緊張と高揚をテーマに綴った1曲だ。
ILLITの5人は、洗練されたフォーメーションと軽やかなステップで楽曲の世界観を見事に表現した。中でも目を引いたのは、サビ終盤に登場する“ニャンニャンダンス”と呼ばれる猫の伸びをモチーフにした振り付け。繊細な手の動きと息の合ったダンスは、ILLITの表現力と成長を強く印象づけた。
特筆すべきは、パフォーマンス全体にわたる振付の難易度の高さだ。一見すると優雅で簡単に見えるが、実際にはターンや繊細な動きが多く、複雑な構成となっている。そんなダンスを至って自然に、かつ愛らしさいっぱいに踊り切る表現力からは、この1年間における成長ぶりが感じられた。
楽曲披露後には、グループ内から日本人メンバーのMOKAとIROHAが代表してサビ部分のポイントダンスを披露。2人は息の合った動きで会場を魅了しただけでなく、幻想的な雰囲気を醸し出す表情演技でも存在感を放ち、余裕のあるパフォーマンスでレベルアップした姿を見せつけた。
2023年に全世界182の国と地域で放送されたオーディション番組『R U Next?』を通じて、22人の参加者からILLITのメンバーとしてアイドルデビューを果たしたMOKAとIROHA。
韓国人メンバーのYUNAH(ユナ)、MINJU(ミンジュ)、WONHEE(ウォンヒ)とともに、今やK-POP第5世代を代表するグループの一員として人気を集める2人だが、ステージ上だけにとどまらない「スケールアップ」をショーケース全体で感じることができた。
例えば、トークセッションで「自信のある曲ばかりで構成されたアルバム。イントロから強くなるビートが好き。堂々としたILLITを見てほしい」と笑顔を見せたMOKA。収録曲の録音時には目を閉じて感情を込めたり、座ったまま歌ったりと、表現を深めるための工夫を凝らしたという。
彼女は韓国メディアの質問に対して丁寧にメモを取り、韓国語で積極的にコメントを伝えていた。他の韓国人メンバーにも引けを取らない、その堂々とした話しぶりが印象的だった。
また、グループ最年少のIROHAは「ワクワクしながら一生懸命準備してきた」と語り、「猫の動きを取り入れた振り付けや、歌詞を視覚化するようなダンスにも注目してほしい」と自信をのぞかせた。
実際、IROHAはその言葉通り、卓越したダンススキルで、曲の世界観を見事に表現。曲の世界へと引き込む圧巻のパフォーマンスで見る者を魅了した。
また、「魔法とは、自分の可能性を信じること。誰もが魔法少女になれるというメッセージを伝えたい」と、コンセプトに込められた思いを丁寧に語ったIROHA。彼女もMOKA同様、記者からの質問にも自然な韓国語で受け答えするなど、語学力の面でも大きな成長を感じさせた。
IROHAはさらに、「ポジティブなエネルギーを届けられるように、もっと頑張りたい。『ILLITの音楽はいつも良い』『ILLITのステージはいつも楽しみ』という声をたくさん聞けたら嬉しい」と、今回のカムバックへの意気込みを語っていた。
ショーケースの終盤、メンバーたちは3rdミニアルバム『bomb』に込めた思いを改めて口にした。
「この1年でチームワークがさらに深まった。私たちの“成長”を感じてもらえる作品になったと思います。これからもILLITらしく、自分たちの道を歩んでいきたいです」
デビュー曲『Magnetic』から前作の『Cherish(My Love)』と、カムバックのたびにヒット曲を生み出してきたILLIT。1周年を迎えて披露する新アルバム『bomb』の活動、そして日本人メンバーMOKAとIROHAの一層成長した魅力に注目したい。
(取材・文=伊藤千納)
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