ゴミ屋敷に住み、中3の息子に酒を買いに行かせる。これは実在する韓国女性のことだ。
10月30日に韓国で放送されたバラエティ番組『大人たちは知らない高校生ママパパ5』（原題、MBN）第20回には、高校1年生で母親になったキム・ジョンミンさんが出演した。
まず、彼女が若くして母になった理由が再現ドラマとして明かされた。「高校1年の時に付き合っていた彼氏にお酒を勧められて、雰囲気を台無しにしたくなかったので飲み、そうするうちに同居することになった。だが、彼氏が罪を犯して少年院に収監され、その後に妊娠の事実を知ることになった」と告白し、「彼氏が出所して再び一緒に暮らすことになったが、暴力を振るわれて別れた。そうするうちに母が急逝し、お酒に頼るようになった。うつ病で一時は“極端な考え”もしたし、結局、育児放棄で子供を施設に預けたが、今も酒をやめられずにいる」と打ち明けた。
衝撃的な再現ドラマが終わると、キム・ジョンミンさんがスタジオに登場し、MCのパク・ミソン、ソ・ジャンフン、イン・ギョジンと挨拶を交わした。
パク・ミソンが「とても心配だったが、今は“悪い考え”をせずに元気に暮らしているの？」と安否を尋ねると、「打ち勝とうと努力している。ただ、息子と一緒に暮らしたいが、息子はそうではないようで悩んでいる」と答えた。その直後、キム・ジョンミンさんと中3の息子の日常が公開された。
ある日の朝。キム・ジョンミンさんが起床する場面から始まるのだが、彼女はベッドがあるにもかかわらず床に横たわっていた。というのも彼女の家はゴミ屋敷と化しているのだ。これを見たソ・ジャンフンは「家全体を広いゴミ箱として使用しているようだ」と皮肉交じりにコメント。
これに対してキム・ジョンミンさんは「周辺の整理がうまくできない保存恐怖症と、うつ病を患っているため毎日が無気力だ。家がこんなに汚れてから1年ちょっと経った」と説明した。
続いてキム・ジョンミンさんの息子が起床。息子は番組スタッフとのインタビューで「施設で8年ほど暮らしていたが、母親と一緒に暮らして1年6カ月ほど経った」と明かす。
キム・ジョンミンさんは息子が登校の準備をしていると、「（酒を飲み過ぎて）胸焼けするのでラーメンを作ってほしい」と話す。この発言にパク・ミソンは「普通は母親が朝ごはんを用意するものだが、一体これはどんな状況なの？」と当惑。キム・ジョンミンさんはそれだけにとどまらず、ラーメンを作る息子に「ママ、お酒飲んでも良い？」と尋ね、視聴者に二重の衝撃をもたらした。
息子が登校したあとも、キム・ジョンミンさんは働かないどころか床でゴロゴロ。そうするうちに腹が減り、通帳の残高を確認したのだが、残高が2098ウォン（約232円）しか残っていなかった。そのため知人にお金を借りて、デリバリーを注文。もちろん酒もだ。
このような状況についてキム・ジョンミンさんは、「現在、生活保護と国家支援費を合わせて毎月140万ウォン（約16万円）をもらっている。だが、消費が上回った時には（クレジットカードの支払いが）300万ウォン（約33万円）以上出ていく」と話し、深刻なマイナス収支であることを告白した。
そして夕方になって息子が帰宅すると、キム・ジョンミンさんは注文した豚足をつまみにのんでいた。その様子を見た息子が「お酒はもう飲まないで。ビールは2パックで2万ウォン（約2200円）だ。僕にはお小遣いもくれないくせに」と不満をぶちまけると、キム・ジョンミンさんは「母親はATMか？中3になったらバイトをすると言っていたじゃないか。なぜ（施設から）家に帰ってきたのか」と声を荒げた。
すると「お母さんが帰って来いと言ったはずだが？また施設に入るからお母さんは病院に行け」と反論した息子は家を飛び出し、息子は近くの合気道場を訪れ、コーチにやるせない気持ちを吐露した。「母のせいで一カ月に16回も学校を早退した。そのせいで警告通知書まで出された。母が毎月病院に行くのだが、僕を同行させる。診察を終えたあとは、酒を買いに行かされる」と暴露した。
それだけではなく「施設にいる時はしっかりと教育も受けたが、母と暮らし始めて以降は受けられていない」とのこと。「母が（最期に）僕のためにキムチチゲを作ってくれたのが2023年5月24日だ。僕の人生で一番幸せだったあの頃が懐かしい」と打ち明け、スタジオの出演者たちを悲しませた。
一方、キム・ジョンミンさんは「息子があんなに大変なのに、なぜ酒ばかり飲むのか」というMCの質問に、「実は息子がもう一人いる。彼氏と別れたあと、結婚して赤ちゃんを産んだが、子供が生後100日も経たないうちに離婚した。（残してきた息子に）ずっと会いたいのに会えなくて悲しい」と隠された痛みを告白した。
後日、深刻な不仲を改善するため、キム・ジョンミンさんは息子と一緒に釣り旅行」に出かけることに。だが、ここでも飲酒によって争いが起きてしまう。
にっちもさっちも行かなくなったキム・ジョンミンさんは、亡くなった母の納骨堂を訪ねて涙を流した。「頭ではわかっているのに心ではダメだ」と苦しむ姿を見たパク・ミソンは「（専門家の）助けを受けなければならない状況のようだ」と心配した。
数日後、キム・ジョンミンさんは製作スタッフの支援を受け、清掃専門チームと大掃除を開始。きれいになった家を見た息子は「家が汚いので出たかったが、今は家にしかいたくない」と喜ぶのだった。
そしてキム・ジョンミンさんは幸せそうな息子のためにキムチチゲを作り、「これから息子のためにさらに努力する」と約束した。1カ月後、キム・ジョンミンさんは清潔な状態を保ち、「酒も飲まずに息子ともうまく生活できるようと努力し続ける」という動画メッセージを番組にスタッフに送り、温かい拍手を受けた。
なお、まだ大人の保護が必要な年齢で親になり、困難に陥っている青少年が逆境を乗り越えて成長できるように助ける『高校生ママパパ』は、毎週水曜22時20分より放送中。
（記事提供＝OSEN）
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