俳優・松重豊が韓国との縁を語った。
松重は主演映画『劇映画 孤独のグルメ』を手に、第29回釜山国際映画祭を訪問。2012年にテレビ東京の深夜枠で始まったドラマ『孤独のグルメ』の映画化で、松重は主演・監督・脚本・渉外と、すべての領域に参加している。
今回、松重が扮する個人貿易商の井之頭五郎は、フランス、日本を経て韓国にも訪れるのだが、韓国人もあまり見慣れない食べ物や地名が登場する点にも注目だ。
そんな松重は3日午前、釜山国際映画祭が開催中の釜山・海雲台区(プサン・ヘウンデグ)の映像産業センターで、現地メディアのインタビューに応じた。「日本の福岡で生まれ、韓国のラジオ放送を聞きながら育った。近い外国だと思った。大人になって韓国に来たが、釜山は特に魚を食材に使い、(福岡と)気候も似ていた。野菜も似ているが、味をどう出すかによって味が違った」と話した。
続いて、「日本でも海を渡るだけでこんなに味が変わる。映画で五郎がフランスから韓国に来るが、フランスと韓国のスープの違いを見せたかった。釜山でロケを回りながら、海の村をいくつも見た。スケトウダラの酔い覚ましスープが一番いいと思って活用した。今回の映画は私にとっても冒険だった」と述べた。
12年に渡るドラマの集大成というべき今回の映画だが、韓国から大物俳優が出演する。『梨泰院クラス』『秘密の森』といったドラマで知られる名バイプレーヤ―、ユ・ジェミョンだ。
きっかけは韓国映画『声もなく』(20)だったと松重は語る。「韓国の俳優を探していたんですが、『声もなく』を見てユ・ジェミョンを見つけました。本当に良かったです。周りにユ・ジェミョンをキャスティングすると公言しました。彼が登場する場面が一番のハイライトです。私は言葉が通じなくても、お互いに笑えることを追求し、重きを置きます。今回の映画の最大の成果は、ユ・ジェミョンの出演です」と言わしめたほどだ。
『孤独のグルメ』は端的に言うとおじさんが一人で食事をするだけのドラマだが、10年以上も根強い人気を誇るテレビ東京の一大コンテンツだ。それは日本のみならず、今回登場する韓国、そしてタイなど東アジアの国々でも反響が大きい。
アジア諸国での人気について松重は、「実は、どうしてこんなに人気があるのかはよく分かりません。おそらく、あまりにも刺激的な話に疲れた視聴者が、ただ食べるだけのドラマという点で好まれているようです。アジアは運命共同体です。産業と文化の両方が手をつないで歩かなければなりません。私のドラマを媒介に、韓国と日本の関係がもっと良くなることを期待します。私も韓国で自分の作品を愛してくれる方々にお会いできたら、笑顔で役に立つように頑張ります」と語った。
『劇映画 孤独のグルメ』は2025年1月10日より日本で公開。韓国では同年3月より公開される予定だ。
■松重豊、『パラサイト』巨匠ポン・ジュノにオファーを断られた“裏話”を告白
前へ
次へ