「アーティストに罪はない」（BTS・JUNG KOOK）
NewJeans騒動が激化している韓国芸能界。アーティストが独断で配信を行い、親会社HYBEを強く批判するなど異例の状況だ。
NewJeansの訴えにHYBEは「原則通り対応する」という立場を示したなか、事務所のトップアーティストBTSのメンバーであるJUNG KOOKが、NewJeansを連想させる色使いの絵文字とともに意味深な言葉をインスタグラムで投げかけた。HYBEの株価は最近、3カ月間の最低値である16万ウォン（約1万7000円）に近い16万4000ウォン（約1万7500円）まで下がったほどだ。
HYBEには法律関係者たちからの批判も多い。対応が感情的すぎて未熟だという指摘だ。
韓国の大手弁護士事務「キム&チャン」出身のコ・サンロク弁護士（法務法人ピル）は、NewJeansのライブ配信に関して、「HYBEを公開的に攻撃した時、NewJeansは客観的に得るものより失うものが多い」として、「このような行動をしたこと自体、真正性があるためであり、裁判所で力を発揮できること」と分析した。
また、「このような状況でNewJeansのプロデューサーが変われば、人々が歓声をあげる可能性はないだろう」として、「HYBEに能力がないというわけではなく、NewJeansが積み上げてきたアイデンティティがあり、（今後も）成長する状況にもかかわらず、このような形でシーズン2が始まるならば工場から作られて出てくる量産型アイドルと同じ」と批判した。
そして、「NewJeansは自ら行動する道を選択した。自身のアイデンティティと成果を継続できる環境を剥奪され、参考にさせることだけをして生きる道、そのような道は選択しないと公式に宣言した」と説明した。
ほかにもキム・ピルソン弁護士（法務法人カロス）も、HYBEの未熟な対応を指摘している。「“法的にだけ見れば”、この事案でHYBEが誤ったことはない」として、「報道された内容だけを見ると、ミン（・ヒジン）前代表が勝利する可能性は高くない」と見通した。
ただし、「“法的にだけで見れば”という表現を使ったが、ビジネスは法だけで行うのではない。法は一番最後に、最後の手段として意味がある」とし、「大部分の場合、法に頼らなければならない状況ならば、すでに最悪の状況に置かれている」と批判した。
そして、「エンターテインメント事業はイメージで商売する。エンターテインメントで最も重要なのは大衆に見られるイメージであり、それをしっかりと作って包装し、よく管理することがエンターテインメント事業の全てだと言っても過言ではない」として、「HYBEは自身たちが大衆にどのように映るか、NewJeansがどのように対応するか、その対応がどのような影響を及ぼすのかあらかじめ計るべきだった」と指摘した。
また異なる面で批判も出た。HYBEの株価が下がる背景には、パン・シヒョクHYBE議長の役割が間違っているというのだ。
韓国メディア『メディアウォッチ』のピョン・ヒジェ代表は、「いくらパン議長が所有権を持っているとしても、最小限の作品を作ったクリエイターの運営権利権は認めなければならない」として、「NewJeansの活動を牽引していかなければならないミン・ヒジン前代表の会社内での地位を揺さぶってしまったので、誰の目にもNewJeansの将来は見通せない。大株主である議長がNewJeansの活動を阻んでしまった。株価が下がったあと、ミン・ヒジン前代表を解任して、また下落傾向を迎えた」と分析した。
ピョン代表は、「パン議長の個人的な感情でHYBEが撲殺されても、NewJeansとミン前代表を殺してしまうということは乱暴ではないか」とし、「これは不法を犯しながらHYBE株価を落としているため、株主たちはパン・シヒョクに損害賠償請求と背任罪を提起できるのではないか」と疑問を提起した。
また、SMエンターテインメント出身のS.E.Sパダなどがミン前代表を支持したことに対しても言及。「意味がある。所有権、資産、資本はパン議長が持っているが、実際にNewJeansという作品を企画したのはミン前代表」として、「最小限の作品を作ったクリエイターの運営権利権は認めなければならない。クリエイターたちが力を集めて、パン議長のような権力者を大衆文化界から追い出すことは大きな意味があるだろう」と明らかにした。
◇NewJeans プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開しながら電撃デビューした5人組ガールズグループ。ミン・ヒジン代表が率いるHYBE傘下レーベルADOR所属。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲（『Attention』）がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートインした。
◇JUNG KOOK プロフィール
1997年9月1日生まれ。本名チョン・ジョングク。2011年に放送された韓国のオーディション番組『スーパースターK』（Mnet）シーズン3の予選で脱落。デビューは逃したものの、多数の大手芸能事務所からオファーを受けた（現在所属するBig Hitエンターテインメント・現HYBEもそのうちの1つ）。本人は、「事務所見学の際にRMのラップに感銘を受けて入社を決意した」と振り返っている。その後、2013年にBTSのメンバーとしてデビューし、世界的な人気を誇るトップスターとなった。
■【写真】NewJeansの表情は…ミン代表解任後、初の公の場
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