「道路上の潜在的殺人者」でも復帰が可能な現実から正すべき…韓国スター、繰り返される飲酒運転の悲劇

2024年09月02日 話題

飲酒運転は社会的に非常に深刻な問題と認識されている。韓国政府は飲酒運転者に対して「道路上の潜在的殺人者」と規定した。

【写真】厳しい表情…飲酒運転のSUGA、警察署に出頭

しかし芸能人の飲酒運転の事例は減るどころか、さらに増えた感じさえする。ここ数年間、大衆に愛されたスターたちが泥酔運転事故で衝撃を与えるだけでなく、似たような事件が繰り返され、懸念の声が高まっている。

それほど過去を振り返る必要もなく、2022年には何と10人に達する有名人の飲酒運転事故が起きた。

1月、新年が明けてすぐ、ミス・コリア出身のソ・イェジンが泥酔運転で2度も街路樹に衝突する事故を起こした。血中アルコール濃度0.108%で免許取り消し処分(0.08%以上)となり、道路交通法違反の疑いで罰金700万ウォン(約70万円)の略式命令を受けた。

続く2月には、MCディンドンが飲酒運転中に逃走し、パトカーに突っ込んだ。飲酒運転と共に警察官を脅した容疑など裁判をかけられ、懲役1年6カ月、執行猶予2年が言い渡された。

左からキム・セロン、シン・ヘソン、クァク・ドウォン、イル
(写真提供=OSEN)左からキム・セロン、シン・ヘソン、クァク・ドウォン、イル

5月には映画『アジョシ』の天才子役として絶賛されたキム・セロンが、飲酒状態で車を運転してガードレールや街路樹、変圧器などを順に衝突する事故を起こした。

現場に駆け付けた警察は血中アルコール濃度を測定しようとしたが、キム・セロンはこれを拒否。採血を要求し、「時間稼ぎの小細工ではないか?」という疑惑に包まれた。採血検査の結果、血中アルコール濃度約0.2%で免許取り消し水準であり、最終的に罰金2000万ウォン(約200万円)を宣告された。

また9月にはクァク・ドウォンは済州(チェジュ)で酒を飲んで自分の車を運転し、住民からの通報によって警察によって摘発された。道路を塞いで眠っている状況で警察の飲酒取り締まりにかかった。

10月にはボーイズグループSHINHWAのメンバー、シン・ヘソンは飲酒測定を拒否して現行犯で逮捕された。警察は「道路の真ん中に車が停車している」という通報を受けて出動し、車の中で寝ていたシン・ヘソンを発見。シン・ヘソンに飲酒測定を要求したが拒否されたため、警察は道路交通法上飲酒測定拒否の疑いで逮捕した。彼は2007年4月にも飲酒運転の疑いで在宅起訴されたことがあるため、厳しい叱責を避けることができなかった。

そして最後の12月にも、テ・ジナの息子で歌手のイルが飲酒運転をして交通事故を起こした。直ちにソウル龍山警察署に道路交通法上の飲酒運転の疑いで不拘束立件された。その他にも俳優ユ・ゴン、ZE:Aのムン・ジュンヨン、VICTONのホ・チャン、ラッパーのHuckleberry Pなどが飲酒運転で物議をかもした。

今年も立て続けにスターの飲酒運転が

それから2023年が過ぎてスターの飲酒運転も減少していくかに思われたが、今年もキム・ホジュン、BTS・SUGA、コメディアンのK氏、パク・サンミンなど4人の飲酒運転事故が発生し、再びファンを失望させた。

歌手のキム・ホジュンは今年5月、虚偽の供述やコンサート強行、ドライブレコーダーの証拠隠滅などで拘束された。彼はソウルの道路で飲酒状態で運転をしていたところ、反対車線のタクシーと衝突して逃走した。

キム・ホジュン
(写真提供=OSEN)キム・ホジュン

事故後、キム・ホジュンのマネージャーが代わりに自首し、キム・ホジュンは17時間後になってようやく警察に出頭した。最初は飲酒運転を認めなかったが、議論が続くと容疑を認め、特定犯罪加重処罰法上の危険運転致傷・逃走致傷、道路交通法上の事故後未措置、犯人逃避教唆の疑惑で拘束起訴された。裁判所はキム・ホジュンの拘束期間を10月までに延長している。

BTSのメンバー、SUGAは8月、ソウル龍山区・漢南洞(ハンナムドン)の自宅近くで飲酒後に電動スクーターを運転した容疑をかけられている。飲酒測定をした警察によると、血中アルコール濃度は0.227%で、免許取り消し基準を大幅に超えた。最近、ソウル龍山警察署に出頭して調査を受け、自身の容疑をすべて認めたという。

BTS・SUGA
(写真提供=OSEN)BTS・SUGA

同じく8月、俳優のパク・サンミンが1997年、2011年に続き、3回目の飲酒運転で衝撃を与えた。映画『将軍の息子』でデビューした彼は、5月に道路交通法違反(飲酒運転)の疑いで検察に送致されていた。目撃者の通報で警察に摘発されたパク・サンミンの血中アルコール濃度は、免許取り消し水準と知らされた。水原(スウォン)地検・安養(アンヤン)支庁は7月末、パク・サンミンを道路交通法違反(飲酒運転)の疑いで在宅起訴した。

パク・サンミン
(写真提供=OSEN)パク・サンミン

2000年代までは飲酒運転に対する社会的な雰囲気が驚くほど寛大で、軽犯罪と認識する傾向もあった。しかし近年、飲酒運転は他人の命を脅かす行為という認識が広がり、「処罰を強化しなければならない」という声が高まった。

その認識は芸能界にもそのまま適用されたが、国民の感情を逆なでするかのように、テレビ制作陣などは「飲酒運転芸能人」を何事もなかったかのようにキャスティングし、復帰を助けたりした。

実際に3度も飲酒運転をした俳優ユン・ジェムンやラッパーのキルなどが、作品やバラエティを通じて復帰しており、2020年に飲酒運転したペ・ソンウも編集なしにドラマや映画に登場し、新作に合流して撮影中だ。また、『ストーブリーグ』や『ハイエナ』の出演俳優ホン・ギジュンもやはり飲酒で摘発されたが、ディズニープラスのドラマ『カジノ』で復帰した。

現在裁判にかけられているキム・ホジュンも飲酒運転を認めるファンカフェへの書き込みで、「調査が終わってすべての結果が出れば、ここに帰ってくる」と活動再開を予告して袋叩きにあったりした。

飲酒運転を他の犯罪と比べると軽く考える芸能界の関係者たちと一部スターたちのモラルハザードが改善されなければ、似たような議論は今後も続いていくものと見られる。

(記事提供=OSEN)

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