韓国のバドミントン選手として28年ぶりのシングルス金メダルを獲得したアン・セヨン(22)。
だが勝利後の“爆弾発言”が、それ以上のインパクトをもたらした。
8月6日(日本時間)、フランス・パリの大韓体育会のコリアハウスで行われたバドミントンメダリストの記者会見は、祝賀の場とはならなかった。
韓国メディア『聯合ニュース』によると、この場には前日に女子シングルスで金メダルを獲得したアン・セヨンは参加せず、混合ダブルス準決勝で嘔吐するほどの死闘を見せ、見事銀メダルを獲得したキム・ウォンホ(25)、チョン・ナウン(24)のペアのみが参加したという。
そのため、2人にはアン・セヨン関連の質問が殺到。そして、表に出てこなければならないはずの韓国バドミントン協会関係者の姿はなかった。
先立って5日、アン・セヨンは女子シングルス決勝で中国の何冰娇を2-0で破り、金メダルを獲得。韓国バドミントン選手が五輪で金メダルを獲得したのは、2008年北京大会の混合ダブルス、イ・ヨンデ、イ・ヒョジョン以来、16年ぶりのことだ。また、シングルスでは1996年アトランタ大会のパン・スヒョン以来、28年ぶりとなる。
しかし、アン・セヨンは優勝直後、本紙『スポーツソウル』をはじめとしたメディアの前で、「私の(膝の)負傷は思ったよりも深刻で、あまりにも安易に考えていた代表チームに失望した」と告白。その後、アン・セヨンが代表チームの医療支援や各種システムに不満を抱き、長きにわたってバドミントン協会と対立してきたという話が出回った。
このような発言の余波が大きくなり、負担を感じたのか、アン・セヨンは記者会見場に現れなかった。ただ、あまりにも重要な事案であることから、取材陣は同僚のキム・ウォンホとチョン・ナウンに質問をせざるを得ない状況だった。
キム・ウォンホは、「パートが分かれているため、僕たちはそのようなことを感じられなかったようだ」として、「(発言に関する)記事もたくさん出てきており、雰囲気が良いとは言えない。祝福されるべき場だが、憂慮する気持ちはあった」とし、チョン・ナウンは「アン・セヨン関連の質問は受けない」と釘を刺した。
一方のアン・セヨンは出国場で取材陣と会い、「記者会見に参加しなかったのは(バドミントン協会が)待機しろと言ったため」とし、「協会からは何も言わずに待つよう指示されたが、どのように対応すれば良いか分からなかった」と話した。
なお、バドミントン韓国代表チームは7日午後に帰国する。アン・セヨンの爆弾発言を受け、政府も事実関係の調査を行うと発表していることから、今後も一波乱ありそうだ。
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