パリ五輪・バドミントン女子シングルスで金メダルを獲得したアン・セヨン(22)の韓国バドミントン協会に対する批判的な発言に、韓国政府も動き出した。
文化体育観光部(「部」は日本の「省」に相当)は8月6日、公式資料を通じて「昨日(5日)のアン・セヨン選手のメディアインタビューに関して、経緯を把握している」とし、「現在、2024年パリ五輪が進行中であるため、オリンピックが終わり次第、正確な事実関係を把握し、その結果に基づいて適切な改善措置の必要性を検討する予定」と発表した。
世界ランキング1位のアン・セヨンは、8月5日に行われたバドミントン女子シングルス決勝で、世界ランキング9位の何冰娇(中国)を2-0(21-13、21-16)で下し、金メダルを獲得した。
アン・セヨンのこの金メダルは、1996年アトランタ五輪で優勝したパン・スヒョン以来、28年ぶりに獲得したオリンピック女子シングルスの金メダルという点で、大きな意味を持つ。韓国バドミントンの新しい歴史がアン・セヨンの戴冠式として生まれ変わる瞬間でもあった。
アン・セヨンは昨年行われた杭州アジア大会で2冠に輝き、国民的な関心を集めた。それでも彼女は押し寄せるインタビューや広告のオファーを後にし、膝のリハビリとトレーニングに専念。そしてオリンピック金メダルという栄光に浴した。
しかしアン・セヨンは試合後のインタビューで「私の怪我は思ったより深刻だった。簡単には治らなかった。代表チームがあまりにも安易に考えていて、大変失望した」とし、「この瞬間を最後に代表チームと一緒に続けていくのは少し難しいのではないかという思いもある」と話し、韓国バドミントン協会を批判した。
続けて「私はバドミントンの発展と自分の記録のために続けていきたいが、協会がどうやってくれるのかわからない。私はバドミントンさえできれば、どんな状況でも耐えられると思う」と述べ、代表チームと決別する可能性まで示唆した。
また、「代表チームから出ていったら、オリンピックに出られないのは選手にとって冷酷ではないかと思う」と付け加え、「シングルスとダブルスは異なる。シングルスだけプレーするからといって選手資格を剥奪することはできない。協会がすべてを妨げているように感じる」と協会に対する批判を続けた。
さらに「私たちのバドミントンが多くの発展を遂げられると思うが、金メダルはひとつしか取れなかった。振り返るべき時期ではないかと思う」と自身の考えを隠さなかった。
アン・セヨンは今回の意図的な発言について、初めて韓国代表となった2018年から準備していたとし、「私が目標を設定し、夢を叶えるまでの原動力は自分の怒りだった。自分の声を上げたかった。私の夢は、ある意味で“声”だった」と強調した。
文化体育観光部は「アン・セヨン選手はバドミントン女子シングルスで金メダルを獲得した後、韓国バドミントン協会の選手の怪我の管理、選手育成とトレーニング方法、協会の意思決定システム、大会出場などに関する問題点を指摘した」とし、「他の競技でも選手管理のために改善する点があるか、全般的に検討する計画」と説明した。
(記事提供=OSEN)
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