パリ五輪で韓国と北朝鮮の選手が同じ表彰台に立った。
7月30日、フランス・パリのパリ南アリーナで行われたパリ五輪・卓球混合ダブルス表彰式。
混合ダブルスでは世界最強の中国の王楚欽(24)/孫穎莎(23)組が金メダルを獲得し、北朝鮮のリ・ジョンシク(24)/キム・クムヨン(22)組が銀メダル、韓国のシン・ユビン(19)/イム・ジョンフン(27)組が銅メダルを手にした。
五輪の舞台で、政治的に緊張関係にある韓国、北朝鮮、中国の3国がともに表彰台に上がることになった。
ただ、国際関係の雰囲気と関係なく、表彰台の上で6人は無理なく融和した。
シン・ユビンとイム・ジョンフンが一番先に表彰台に上がり、次にキム・クムヨンとリ・ジョンシクが登場した。2人は自然に、韓国の銅メダリストと握手をした。
表彰式が終わった後、イム・ジョンフンがスマートフォンを手にした。メダリスト全員で一緒に自撮りを撮るタイミングだった。
北朝鮮の選手2人も断ることなく撮影に臨んだ。リ・ジョンシクの表情は少し無愛想だったが、キム・クムヨンの顔にはかすかな笑みが広がっていた。
北朝鮮は前回の東京五輪に参加しなかった。新型コロナウイルスの感染拡大が最大の理由だった。だが、国際オリンピック委員会(IOC)は北朝鮮に2022年末までの資格停止処分を下した。結局、北朝鮮は2022年の北京冬季五輪に出場できなかった。
処分が解除された北朝鮮は今回、2016年リオ五輪以来、8年ぶりに再び夏季五輪の舞台に登場した。7競技で男子4人、女子12人の計16人という小規模だが、世の中に出てきたという点で変化が注目される。
そして偶然にも、北朝鮮が今大会で初めて獲得したメダルの現場に、韓国がいた。
文在寅(ムン・ジェイン)政府時代の6年前、南北間で緊張が緩和されたときは活発なスポーツ交流がなされた。2018年のジャカルタ・アジア大会では、カヌー、女子バスケ、ボートの3競技で合同チームを組んで出場した。ほかにも、卓球や柔道、ハンドボールなどで一緒に国際大会に臨んだ。
ただ、今は空気が違う。南北は対峙しており、合同チームなど夢にも考えられない雰囲気だ。
例えスポーツの舞台で会ったとしても、緊張感は消えない。
昨年の杭州アジア大会でも、韓国と北朝鮮の選手が一緒に表彰台に上がったことがある。射撃男子10mランニングターゲットで韓国が金メダルを、北朝鮮が銀メダルを獲得した際、一緒に写真を撮ろうという韓国の選手たちの提案を、北朝鮮は受け入れなかった。南北関係の現状を象徴的に示す場面だった。
それから1年も経過せず迎えたパリ五輪だが、今回は違った。8年ぶりに五輪に出場した北朝鮮は、比較的自由に大会を楽しんでいる様子だ。
同日、アリーナで一般観客席に座った北朝鮮関係者は、北朝鮮国旗を持ち積極的な応援を繰り広げた。北朝鮮が点数を得るたびに席から立ち上がって叫んでいた。
表彰台の上でも、南北の素朴な交流が行われた。久しぶりに、南北のある種の“平和ムード”が感じられた瞬間だった。
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