韓国Kリーグ1(1部)の済州(チェジュ)ユナイテッドは7月25日、横浜F・マリノスの元韓国代表MFナム・テヒ(33)を獲得したことを発表した。
ナム・テヒは1991年7月3日生まれの33歳。蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ/現・蔚山HD FC)の下部組織出身で、2007年に韓国サッカー協会(KFA)の「ユースサッカー留学プロジェクト」を通じて、イングランドのレディング下部組織に入団した。
その後は2009年にフランスのヴァランシエンヌと契約し、18歳36日でプロデビュー。2019年1月に当時バレンシア所属の韓国代表MFイ・ガンイン(23、パリ・サンジェルマン)が17歳332日で更新するまで、欧州における韓国人選手史上最年少デビュー記録を保持していた。
また、2012年にアル・ドゥハイルの前身であるレフウィヤに移籍して中東進出を果たすと、2019~2021年のアル・サッド時代も含めてカタールで通算12シーズンプレー。切れのあるドリブルを持ち味とすることから、現地や韓国サッカーファンの間では“カタールのメッシ”と呼ばれた。
そして、昨夏に横浜FMに加入。約1年間の在籍でJ1リーグ通算20試合2ゴール1アシスト、ルヴァンカップ通算3試合1ゴール、天皇杯通算1試合、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)通算11試合3アシストを記録した。
韓国代表としては、世代別代表で2006年のU-17アジア選手権、2012年のロンドン五輪に出場。特にロンドン五輪ではU-23韓国代表の銅メダル獲得に貢献し、兵役特例の恩恵も受けた。A代表では2011年2月にデビューして通算54試合7ゴールを記録し、国際大会では2015年アジアカップに出場した。
ナム・テヒとしては今回が初のKリーグ挑戦となるが、適応に問題はなさそうだ。
というのも、チームにはかつてヴォルフスブルクやアウクスブルク、マインツなどに在籍した“済州のレジェンド”こと元韓国代表MFク・ジャチョル(35)をや、蔚山ユース時代の同僚であるDFイム・チャンウ(32)など、親しい間柄の選手が複数プレーしている。
何より、済州が今夏にアジア枠として期限付き移籍で獲得した日本人MF吉尾海夏(26)とは横浜FMでもチームメイトだった。
ナム・テヒは吉尾がSNSで済州への期限付き移籍を発表した当時、「ファイティン」と応援のコメントを伝えたこともある。そんな2人が今度はKリーグの舞台で再会しただけに、ファンの期待も高まっている。
ちなみに、済州にはそのほか、元アルビレックス新潟、水戸ホーリーホックのDFソン・ジュフン(30)、元ガイナーレ鳥取のブラジル人FWユリ(26)などのJリーグ経験者も所属している。
ナム・テヒは済州加入に際し、次のようにコメントした。
「Kリーグ1の舞台は初挑戦となりますが、済州という優れたチームで始めることができて本当に嬉しいです。早く適応するために、自分から先にオレンジ色に染まっていきたいです。助けてくれる選手も多く、心強く感じています」
「済州が自分を選んだ理由を実力を証明したいです。ファンが何を望んでいるのかもよく知っています。その問いと期待の答えとして、グラウンド上で勝利のピリオドをもたらしたいです。全力を尽くしてプレーします。多くの応援をよろしくお願いします」
なお、済州は次戦、7月26日にホームの済州ワールドカップ競技場で蔚山とのKリーグ1第25節を戦い、中断期間に突入する予定だ。
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