Kリーグ前回王者の全北現代モータースが12年ぶりにシーズン初戦で敗れ、不安なスタートを見せた。
2月12日、全州ワールドカップ競技場でアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループH第1節の全北現代対横浜F・マリノスが行われた。
昨シーズンのJリーグとKリーグ両王者が激突した注目の初戦は、1-2でマリノスが勝利した。
敗れた全北現代は、2008年3月9日にKリーグ開幕戦でFCソウルに負けて以来、実に12年ぶりの開幕黒星スタートとなった。ACLだけ見ると、2012年3月に1-5の大敗を喫した広州恒大戦以来、8年ぶりとなる。
多くの関心を集めた“日韓王者対決”だったが、内容は全北現代の完敗といっていい。
全北現代は邦本宣裕や元柏キム・ボギョンを先発で送り出し、後半からは移籍組のムリロ・エンリケやチョ・ギュソンを投入するなど、スカッドに変化を加えた。しかし、既存のメンバーと新戦力のシナジー効果は見られなかった。
日韓の両王者は両チームともに圧倒的な攻撃力を誇る。昨シーズン、全北現代は38試合72得点、マリノスは34試合68得点と、どちらもリーグ最多得点を記録した。
しかし、この試合でもマリノスの攻撃は鋭かった一方で、全北現代はどこか鈍さを見せた。
マリノスは、昨シーズンのJリーグでともに得点王を獲った仲川輝人とマルコス・ジュニオールや、最前線のオナイウ阿道や2列目の遠藤渓太など得点力を備えた選手をそろえ、息の合った動きで決定機を演出した。
対する全北現代は前半32分に先制点を許す。右サイドを突破した仲川にクロスを上げられ、遠藤が右足でGKソン・ボムグンの逆を突いた。その5分後にはカウンターから遠藤に抜け出され、ゴール前にクロスを送られると、仲川を警戒していたキム・ジンスのクリアが自陣のゴールに吸い込まれてしまった。
だが、試合映像では遠藤がハーフウェイラインを突破した時点でオフサイドポジションにいることが確認できていた。全北現代の選手らは副審に抗議したが、判定は覆らなかった。
苦しい展開となった全北現代だが、後半ももどかしい展開が続く。追い打ちをかけるかのように、後半23分にソン・ジュンホが2枚目のイエローカードで退場となり、数的不利にも追い込まれた。
全北現代は後半34分、相手GK梶川裕嗣のミスを突きチョ・ギュソンが1点返すも、ここで万事休す。その2分後にイ・ヨンも2枚目のイエローで退場し、逆転はほぼ絶望的となった。
9人での戦いを強いられた状況で、GKソン・ボムグンの好セーブがなければさらに大量失点をしていた可能性もあるだろう。ホームで迎えたACL開幕戦、全北現代は1-2の完敗で試合を終えた。
全北現代は、2020年シーズンでリーグ4連覇とACL制覇を目標に掲げた。加えて、今シーズンは国内カップ戦も含めた史上初の3冠も狙っている。Kリーグの威信とプライドがかかっているだけに、全北現代は今回の敗戦を深く受け入れなければならない。
全北現代は2月29日のKリーグ開幕戦(ホームの水原三星ブルーウィングス戦)を挟み、3月4日にACL2戦目のシドニーFC戦をアウェーで迎える。
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