アジアサッカー連盟(AFC)U-23選手権を全勝優勝し、東京五輪の出場権を獲得したキム・ハクボム監督が取材陣の前で微笑んだ。
キム監督は1月30日、ソウルのサッカー会館で開かれた大会決算記者懇談会で、「コーチ陣が選手を信じ、選手がコーチ陣を信じてやり遂げた結果」と話し、「オリンピック本大会でも挑戦を続ける」と強調した。
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過去にプロチームの監督を務めていた際は“ホランイ(虎)先生”と呼ばれたキム監督だが、U-23韓国代表を引き受けてからは、柔らかい“父親のリーダーシップ”に生まれ変わった。
2年前のジャカルタ・アジア大会でもU-23世代の選手を励まし、金メダルを獲得した彼は、オリンピック出場権がかかった今大会でも再びチームを優勝に導いた。
残り6カ月となった東京五輪の目標を「メダル獲得」と明らかにしたキム監督は、「世代別大会は私たちも十分に挑戦することができる。何よりも(開催国である)日本より、上位にありたいと思うので、目標をメダル獲得にした」と力説した。
以下、キム・ハクボム監督との一問一答。
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―U-23選手権の優勝の感想は?
まずはプロチームの監督に、感謝を申し上げたい。選手の選出など、積極的に支援してくれた。
優勝は、どんなときも良いことではないだろうか。優勝というタイトル自体が監督にとっては幸せなことだ。またU-23代表は特性上、A代表に行く最後の段階だ。選手にも大きな自信になったと思う。
―優勝までの道のりで、最大の峠を挙げると?
すべての試合を最後だと思った。最大の峠となると、オーストラリアとの準決勝。(オリンピック出場権が与えられる3位以内まで)2度のチャンスがあったが、決勝に進出して決めたかった。
3位決定戦は、死に物狂いの勝負になるからだ。オーストラリア戦の負担が一番大きかった。
―出場選手を大胆に変更するローテーションによって成し遂げ優勝なので、さらに価値がある。
2年前のアジア大会当時は、いずれにせよ(兵役問題と関連してメンバー全員を)試合に出す必要があったため、グループステージで全員を出場させようと思った。
今回は違った。最大カギは、蒸し暑い天気だった。天気を克服するためには、準備を徹底しなければならないし、選手を最大限に稼働しなければならないと思った。
ただローテーションは、単純に選手を回して使うということではない。互いに信頼があり、相手チームによって変化を与えうる可能性がある選手が必要だ。今回コーチ陣は、誰が出ても上手くやってくれるという信念があった。また、相手に見せる戦力を最小限にするための手段でもあった。
―オリンピックが開催される東京も高温多湿だが、本選の最終エントリーは18人だけだ。