横浜FM戦躍動の蔚山現代イ・ドンギョン、入隊前日まで1G1Aの大暴れ 坊主頭で兵役前ラスト試合出場

2024年04月30日 サッカー #Kリーグ

これほど美しい“しばしの別れ”はない。

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さっぱりとした坊主頭となり、入隊日前日にもかかわらず最後まで試合出場の意志を見せた蔚山(ウルサン)HD FCのMFイ・ドンギョン(26)が、2得点に絡む活躍でチームに勝利をもたらした。

イ・ドンギョンは4月28日、ホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われたKリーグ1(1部)第9節の済州(チェジュ)ユナイテッド戦で先発フル出場し、1-1で迎えた後半17分の決勝点含む1ゴール1アシストの活躍で蔚山を3-1の完勝に導いた。

得点&アシスト両ランク「首位」の大活躍

貴重なゴールと言わざるを得ない。

蔚山は肉体的、精神的に疲弊した状態だった。

4日前の24日、敵地・横浜国際総合競技場で行われた横浜F・マリノスとのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で、PK戦までもつれた末に敗れ決勝進出に失敗した。激しい雨が降り注ぐなか、延長まで120分間の死闘が繰り広げられた。

いくら強いチームだとしても、ショッキングな敗戦を簡単に克服することは難しい。

蔚山を率いるホン・ミョンボ監督は同日、2列目にブラジル人MFケルビン(26)とMFカン・ユング(22)を起用し、最終ラインでは元横浜FMで本職ウィングのFWユン・イルロク(32)を右サイドバックで起用するなど、普段出場機会を得られなかった選手を先発出場させた。消耗の激しい主力をベンチに据えるしかなかった。

それでも、蔚山はKリーグ1王者であり3連覇に挑むチームらしく、強い意志で雰囲気の反転に成功した。その中心にいたのがイ・ドンギョンだ。

イ・ドンギョン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)イ・ドンギョン

蔚山は後半10分、相手DFキム・テファン(24)に先制ゴールを許すなど、“横浜の悲劇”の影響が払しょくできていないように見えた。しかし、失点のわずか1分後、元スウェーデン代表MFダリヤン・ボヤニッチ(29)のアシストでケルビンが同点弾をマークした。

そして後半17分、イ・ドンギョンが左サイドに流れたFWチュ・ミンギュ(34)からパスを受けると、最後はペナルティエリア内で得意の左足を振りぬき、貴重な決勝ゴールを突き刺した。

イ・ドンギョンは味方の得点も演出した。後半35分、カウンターのチャンスでボールを保持すると、相手DFラインの後方に抜け出したFWオム・ウォンサン(24)に絶妙なスルーパス。オム・ウォンサンは済州の守備を交わし、左足の巻いたシュートでチームの3点目を決めた。

蔚山は第9節終了時点(1試合未消化)で5勝2分1敗の勝ち点17を記録し、1試合多い2位の浦項(ポハン)スティーラーズ(勝ち点18)に1ポイント差の12チーム中3位につけた。一方、敗れた済州は勝ち点10(3勝1分5敗)で8位にとどまった。

1G1Aを記録した横浜FMとのACL準決勝2連戦に続き、入隊前最後のリーグ戦でも大車輪の活躍を見せたイ・ドンギョン。兵役によりチームを一時離れる前日まで、勝利のために全力を尽くすプレーを見せ、ホームのファンやサポーターはもちろんコーチ陣をも感動させた。

ホン・ミョンボ監督、イ・ドンギョン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ホン・ミョンボ監督(左)、イ・ドンギョン

イ・ドンギョンはリーグ戦8試合で7ゴール5アシストを記録し、得点ランキング首位タイ、アシストランキング単独首位を走っている。ACL含む直近の公式戦5試合で4ゴール4アシストと、まさにキャリアハイの活躍を見せている。

なお、4月29日に入隊したイ・ドンギョンの除隊は2025年10月を予定している。このため、蔚山が2025年6~7月に参戦するクラブW杯「ムンディアル・デ・クルーベスFIFA」に出場することはできない。

ちなみに、イ・ドンギョンがプレーすることになる国軍体育部隊傘下のサッカーチーム金泉尚武(キムチョン・サンム)は、第9節を終えて6勝1分2敗の勝ち点19とし、単独首位としている。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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