U-23韓国代表の“プランA”が開幕前に崩壊した。
パリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップに挑むU-23韓国代表。チームはUAE・ドバイでの直前キャンプを経て4月10日に開催地カタール入りした。
カタール入国前、UAEで実施したU-23サウジアラビア代表との非公開の強化試合は0-1で敗れた。
U-23韓国代表は世界記録更新となる10大会連続五輪出場に挑戦する。だが、本大会への道は容易ではない。
グループステージの時点で、UAE、中国、日本といった相手と戦わなければならない。
何より、U-23韓国代表率いるファン・ソンホン監督自ら注力した海外組の招集が難航した。
先月29日に発表された当初のメンバー23人のうち、現時点でチームに合流したのはデュッセルドルフⅡのMFキム・ミヌ(22)のみだ。
U-23アジアカップは国際サッカー連盟(FIFA)主管大会ではないため、所属チームの許可が下りなければ招集することができない。
すでにDFキム・ジス(19、ブレントフォード)とMFヤン・ヒョンジュン(21、セルティック)は所属チームの招集拒否により合流が失敗。2人の代替選手にはMFキム・ドンジン(20、浦項スティーラーズ)、MFホン・シフ(23、仁川ユナイテッド)の国内組2人が急きょ招集された。
米MLSでプレーするMFチョン・サンビン(22、ミネソタ・ユナイテッド)は、現地時間15日正午にドーハに到着する予定だ。
ただ、UAEとのグループステージ初戦が17日(日本時間)に行われることを考慮すると、チョン・サンビンはUAE戦を正常にプレーできない可能性が高い。
加えて、MFペ・ジュノ(20、ストーク)の合流可否が依然として不透明だ。所属するストークが現在、チャンピオンシップで残留争いをしているため、クラブとしても快く送り出せない立場にある。
実際、3月のU-23西アジア選手権でも、ペ・ジュノは最終戦前にストーク側の要請で早期復帰した経緯がある。
昨年のU-20W杯でU-20韓国代表10番として活躍し、プロ2年目で欧州進出を果たしたペ・ジュノは、U-23韓国代表でも中核となる選手だ。創造性豊かなパスとドリブル、チャンピオンシップで鍛えられたフィジカルで攻撃をけん引できるだけに、まさに“代替不可能”と言って良い。
ファン・ソンホン監督が構想していた“プランA”はすでに狂っている。
今回のメンバーを見ると、指揮官はサイドアタッカーを多く選出した一方でトップ下タイプの選手が少ない。
MFホン・ユンサン(21、浦項スティーラーズ)辺りが2列目中央でもプレーできるが、彼もやはり再度が主戦場の選手だ。
MFオム・チソン(21、光州FC)やMFカン・ソンジン(21、FCソウル)。チョン・サンビンなどサイドアタッカーの強みを最大限発揮するためには、ペ・ジュノのようなトップ下の選手の役割が重要だ。
もしペ・ジュノも合流不可能となった場合、ファン・ソンホン監督は直ちに新たな2列目の組み合わせを模索しなければならない。
最終ラインも、U-20W杯大会ベストイレブンのキム・ジスが抜けたことで、本職センターバックがキャプテンのDFピョン・ジュンス(22、光州FC)、さらにはDFソ・ミョングァン(21、富川FC 1995)とDFイ・ジェウォン(21、天安シティFC)の3枚のみとなった。
一応、本職ボランチで身長188cmのMFイ・ガンヒ(22、慶南FC)がセンターバックでもプレーできる。
U-23アジアカップは、グループステージから決勝トーナメントまで中2~3日間隔で試合が行われるタイトな日程だ。
大会初戦までは1週間も残っていない。ファン・ソンホン監督も「プランBを考えなければならない」と明言した。五輪出場をかけた重要な舞台を前に、U-23韓国代表の悩みが尽きない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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