“内紛騒動”あったが…元J得点王の韓国暫定監督が明かすイ・ガンイン&ソン・フンミン招集の背景【一問一答】

サッカー韓国代表を暫定的に指揮するファン・ソンホン監督が、“内紛騒動”のあったFWソン・フンミン(31、トッテナム)、MFイ・ガンイン(23、パリ・サンジェルマン)と対話を交わしたことを明かした。

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韓国サッカー協会(KFA)は3月11日、同月に行われる北中米W杯アジア2次予選グループCの2試合を戦う韓国代表メンバー23人を発表した。

チームを率いるのは、本来はパリ五輪出場を目指すU-23韓国代表の監督で、現役時代にはセレッソ大阪や柏レイソルでプレーした1999年Jリーグ得点王のファン・ソンホン暫定監督。

指揮官は今回、アジアカップの大会期間に“内紛騒動”があったとされるソン・フンミンとイ・ガンインを揃って招集した。

「イ・ガンインはサッカーファンとチームメイトに心から謝罪したがっている。ソン・フンミンもそのようなイ・ガンインを受け入れ、和合しなければならないと話した」と2人の選出背景を明かしたファン・ソンホン監督は、「単純に2人だけの問題ではない。すべての構成員の問題だ。2連戦は心を一つに、贖罪の思いで準備して戦わなければならない。すべての選手が私と同じ気持ちであることを期待している」と付け加えた。

また、「イ・ガンインを招集せず次回に持ち越せば、危機は乗り越えられるだろうが、後々呼んだからと言ってこの問題がすべて解決されるとは思わない。例えいつのタイミングでも、イ・ガンインが韓国に来たら起き得る。私がこの場にいる理由は監督としての役割もあるが、また別の理由もある」と力を込めて伝えた。

そして、騒動の当事者であるソン・フンミン、イ・ガンインと緊密にコミュニケーションを取っていることを改めて強調した。

「選手の経験がある身からして、チーム内の問題というのは常に存在する」というファン・ソンホン監督は、「ただ、そのようなことがどれだけ解決し、一つになることができるかが重要だ。さらに強くなる必要がある」と伝えた。

イ・ガンイン
(写真提供=韓国サッカー協会)イ・ガンイン(左)、ソン・フンミン

今回の招集メンバーには、過去2度のKリーグ1(1部)得点王に輝きながらA代表とまったく縁のなかったFWチュ・ミンギュ(33、蔚山HD FC)や、2023年シーズンKリーグ1ヤングプレーヤー賞のMFチョン・ホヨン(23、光州FC)、元アルビレックス新潟のDFイ・ミョンジェ(30、蔚山HD FC)の3人がA代表に初めて選ばれた。

また、元ガンバ大阪のDFクォン・ギョンウォン(32、水原FC)やFWオム・ウォンサン(25、蔚山HD FC)など、しばらく代表から遠ざかっていた選手が再び名を連ねた。

ファン・ソンホン監督は初招集のチュ・ミンギュについて「サッカーは様々な要素があるが、得点力はまた別の領域だ。直近3年間、リーグで通算50ゴール以上決めた選手はいない。これ以上の説明は必要ない」と、選出の経緯を語っていた。

なお、韓国代表は今回のW杯予選で、石井正忠監督率いるタイ代表との2連戦を戦う。21日にホームのソウルワールドカップ競技場で、26日に敵地ラジャマンガラ・スタジアムで対戦する予定だ。

ファン・ソンホン監督
(写真提供=韓国サッカー協会)ファン・ソンホン監督

「代表は最高の選手が選ばれる場所」

ファン・ソンホン監督との一問一答は以下の通り。

―暫定監督を受け入れた背景は。

韓国サッカーが大きな危機、困難に直面し、技術委員会が助けを求めた。悩みは多かったが、(現役時代に)14年間代表生活をしながら恩恵を受けた。サッカー人として助けになるべきと思って決めた。苦しいことを避け、簡単なことだけをするサッカーはしてこなかった。苦心したが決断した。頭のなかでは、危機をどう克服するか考えている。最善を尽くして2試合を戦うつもりだ。

選手選抜の背景には時間があまりなかった。コーチングスタッフ選任後、蓄積してきたデータを基に55人の予備リストを選んだ。そして、2週間でコーチたちとKリーグを視察した。海外組の選手は映像を通じてコンディションをチェックした。すべてを総合的に検討し、負傷選手を除く23人の選手を選抜した。

―イ・ガンインを選出した背景は。

2人の選手(ソン・フンミン、イ・ガンイン)と直接コミュニケーションを取った。イ・ガンインはサッカーファンとチームメイトに心から謝罪したがっている。ソン・フンミンもそのようなイ・ガンインを受け入れ、和合して前に進まなければならないと考えている。だから選抜した。これは2人だけの問題ではないと思う。チームメイトやコーチングスタッフなどすべての構成員の問題だ。責任感を持たなければならない。サッカー関係者の一人として、この場を借りて国民に申し訳ないと申し上げたい。タイとの2連戦は心を一つに、贖罪の思いで準備して戦わなければならない。すべての選手が私と同じ気持ちであることを期待している。最善を尽くす。

―イ・ガンインに対する国民の世論は大きく変わっていない。練習や試合に支障はないのか。

共感はするが、全面的にこの決定は監督である私が下した。イ・ガンインを招集せず次回に持ち越せば、危機は乗り越えられるだろうが、後々呼んだからと言ってこの問題がすべて解決されるとは思わない。例えいつのタイミングでも、イ・ガンインが韓国に来たら起き得る。私がこの場にいる理由は監督としての役割もあるが、また別の理由もある。このような決定を下すまで、2人の選手と意思疎通があった。選手の経験がある身からして、チーム内の問題というのは常に存在する。ただ、そのようなことがどれだけ解決し、一つになることができるかが重要だ。さらに強くなる必要がある。グラウンドで起きたことは、そこで早く解決した方が得策だ。

―イ・ガンインがパリ五輪に出場する可能性はあるのか。

予選に招集することはできない。仮に本大会出場が決まれば、7月頃までにパリ・サンジェルマンと議論しなければならない。選択権は我々にはない。困難があるのは事実だ。

―チュ・ミンギュを初招集したが。

サッカーはさまざまな要素があるが、得点力はまた別の領域だ。3年間、リーグで50ゴール以上入れた選手はほかにいない。これ以上の説明はいらないだろう。

―コンディションの良い選手を中心に招集したのか。

Kリーグを視察し、コンディションの良い選手を念頭に置いた。代表は最高の選手が選ばれ、最高のパフォーマンスを発揮しなければならない。綿密に検討して最終決定を下した。

―代表内の問題をすべて把握したのか。もし把握したのであれば、解決策はあるのか。

ベテラン選手と連絡を取り、さまざまな状況を聞いた。しかし、我々が誤解している部分もある。そのなかにいなかったため、綿密に把握することは難しかったが、短い期間で細かくチェックし、対話を通じて整理をしなければならないと思う。ガイドラインを決めていかなければならない。

―イ・スンウを招集しなかったことについては。

会場で確認した。昨日、上岩(サンアム/ソウルワールドカップ競技場)に行く前にコーチングスタッフとミーティングをしたほど、最後まで議論があった。しかし、2列目の組み合わせなどさまざまな側面を考慮した結果、選抜できなかった。残念に思う。イ・スンウだけでなく、Kリーグで活躍する選手たちにも代表の門戸は開かれている。諦めたり失望したりせずに進んでほしい。

―選手をどのように活用するか、計画はあるのか。

どのように活用するか構想はできているが、この場で申し上げるには無理がある。全体的に見て、攻守のバランスの不均衡が多かったと思う。期間が短いのですべてを作って試合をするのは難しい。基本的には良いバランスを整えなければならない。集中して試合するつもりだ。

―(コーチ陣だけが参加する)パリ五輪世代のU-23代表の西アジア親善大会の準備はどうするのか。

憂慮され、心配されるのは事実だ。否定はしない。ただ、元々発展させなければならない部分と1~2つのポジションは確認しなければならない。そのようなことをコーチたちと予め共有し、第1試合と第2試合、第3試合のいずれもラインナップを決めて確認する手続きを設けた。映像を通じて確認した後、フィードバックをするつもりだ。

―ペ・ジュンホをU-23代表に選出したことについては。

トルコキャンプを終えた後、欧州視察を12日ほど行った。セルティックやストークなどの4チームを訪問した。ペ・ジュンホについて、(パリ五輪)予選招集は合意された状況だ。チームの都合上、変更となる場合もあるが約束劣りつけた。最終的にサウジアラビアでの練習にも参加させ、組み合わせをチェックしなければならない。ヤン・ヒョンジュンとキム・ジスも同じだ。五輪代表に選ばれた選手は許可を受けている。変数はあると思うが、現時点の状況はそうなっている。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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