かつて阪神タイガースに在籍したメル・ロハス・ジュニア(33、KTウィズ)が、沖縄キャンプ中にたった一人のファンのための“ファンミーティング”を開催した。
2月28日、沖縄県の東風平(こちんだ)運動公園野球場ではKTウィズ対ハンファ・イーグルスの練習試合が行われた。
13時に練習試合が始まった後、三塁側観客席でロハスのユニホームを着用した日本人ファンの姿が目を引いた。背番号24番と「ROJAS JR.」のネームが記されたそれは、ロハスの阪神時代のホームユニホームだった。
KT関係者によると、この人物は大阪在住の阪神ファンであるキタノさんで、ロハスが阪神に加入した2021年から彼のファンになったという。
キタノさんは29日に大阪に帰る前、ロハスが所属するKTがハンファと練習試合をするという情報を聞き、東風平球場を訪れて熱烈な応援を送っていた。
ロハスのユニホームを5着も持っているというキタノさんは、「私はロハスの大ファンだ。明日(29日)大阪に帰るが、その前に私が応援するロハスが来ると聞いて直接訪れた」とし、「阪神時代、ロハスの長打に喜んで観客席でピザ1枚をひっくり返した記憶がある。当時、ロハスがSNSを通じてピザを買ってあげるとコメントしてくれた。楽しい思い出だ」と振り返った。
また、「韓国に行っても熱心に応援するから、ロハスには怪我をせず活躍してもらいたい。私のように、多くの人がロハスのプレーを見て喜びのあまりピザをひっくり返してしまう状況を作ってほしい。来月の大田(テジョン)でのビジターゲームにも直接足を運んで応援する予定だ」と伝えた。
ロハス本人もキタノさんのことは知っていた。「甲子園で毎日見たファンだ。日本時代には試合の度に見たが、こうしてまた会えることができて嬉しい」とし、「日本にいるときはコロナ禍ということもあってファンにあまり会えなかった。それでも、キタノさんのように情熱的なファンが訪ねてきてくれて、その縁が続いていると思う。心から感謝しているし、機会があればピザを買うという約束も必ず果たしたい」と感謝の意を表した。
ロハスは昨年12月7日、KTと総額90万ドル(日本円=約1億3438万円)で契約し、4年ぶりに韓国プロ野球の舞台に戻ってきた。
KTは2022年から2年間在籍したアンソニー・アルフォード(29)を放出し、新外国人打者の獲得に着手。そこで、ドミニカ・ウィンターリーグに参加していた“4年前のMVP”にラブコールを送った。
ロハスは2017年シーズン、代替外国人打者としてKTに加入し、2020年シーズンまでの4年間で通算打率0.321、633安打、132本塁打、409打点、350得点と活躍した。キャリアハイは2020年シーズンで、本塁打(47本)、打点(135点)、得点(116点)、長打率(0.680)の4冠を受賞し、レギュラーシーズンMVPにも輝いた。
その後、韓国での成功を引っ提げて2020年12月に阪神と2年契約を結んだロハスだが、日本では“対NPB投手”の適応に徹底して失敗し、挫折の時間を過ごした。
加入初年度から新型コロナウイルスの影響でビザ発給が制限され、2021年4月になってようやく日本に入国。5月に遅れてのデビューとなったが、21打席連続無安打という不名誉な記録など、60試合で打率0.217、8本塁打、21打点と寂しい結果に終わった。
2年目の2022年も、89試合で打率0.224、9本塁打、27打点と期待に見合った活躍はできず、シーズン終了後に阪神を退団した。
とはいえ、日本での生活が何もかも失敗だったわけではなかった。阪神退団から数年が経ったにもかかわらず、自身のユニホームを5着も持つ日本人ファンと再会し、2024年シーズンを力強くスタートできる原動力を得られたからだ。
なお、ロハスが所属するKTは来る3月6日まで沖縄でキャンプを実施。その後は韓国国内でのオープン戦を経て、3月23日に本拠地の水原(スウォン)KTウィズパークでサムスン・ライオンズとの2024年シーズンKBOリーグ開幕戦を戦う予定だ。
(記事提供=OSEN)
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