MLBオープン戦の開幕戦で打席に大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)、マウンドにコ・ウソク(25、サンディエゴ・パドレス)が立つ光景は見られなかった。
2人とも、オープン戦のスタートを遅らせた。
先に伝えられたのは大谷だった。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は2月19日(日本時間)、来る23日に行われるパドレスとのオープン戦開幕戦に大谷が出場しないことを明かした。
大谷は昨年9月に2度目の右肘手術を受けた。このため、2024年シーズンは指名打者としてのみ出場し、投手も兼業する“二刀流”は2025年シーズンから再開する予定だ。
かといって、投手の準備をまったくしないわけではない。来季の先発登板を目標に、早くも段階的なリハビリに取り組んでいる。
つまり、キャンプの時点から打撃練習と投手としてのリハビリを並行している。大谷ならではの特別なプログラムというわけだ。
そのため、特別な管理が必要だ。来る3月20~21日、韓国・ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われる「MLBワールドツアー・ソウルシリーズ2024」でのパドレスとのMLB開幕戦での出場を目標にしているが、かといってオーバーペースは避けなければならない。
オープン戦の開幕戦は、米アリゾナ州ピオリアで行われるパドレスとのビジターゲームとなるが、この試合にあえて出場する必要はないというのがロバーツ監督の判断だ。
大谷はオープン戦で50打席に立ち、ソウルシリーズに出場する計画だという。「50打席」という数字は例え開幕戦を欠場しても十分達成可能な数字だ。
コ・ウソクも急いでいない。契約とチーム合流のどちらも遅れたため、「急ぐ必要がない」というのがパドレスコーチ陣の判断だ。
コ・ウソクは21日のキャンプ練習に先立ち、ルーベン・ニエブラ投手コーチから直接計画を伝えられたという。
ニエブラ投手コーチはコ・ウソクに、短いブルペン投球とライブBPを消化した後、28日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦、あるいは29日のシカゴ・ホワイトソックス戦で登板予定というスケジュールを伝えた。
早ければ、ロイヤルズ戦がコ・ウソクのパドレス加入後初オープン戦となる可能性がある。
大谷とコ・ウソクに何か特別な縁があるわけではない。しかし、ソウルシリーズを皮切りにシーズン中に何度も対面する可能性は高い。
地域のライバルであり、同じディビジョンに属していて、いつでも投打対決を見られる。昨年はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で“日韓戦”もあったが、コ・ウソクが負傷したことで両者の対決は実現しなかった。
なお、大谷は2018年にロサンゼルス・エンゼルスでメジャーデビュー。昨季までの6年間で打者として打率0.247、171本塁打、437打点、OPS(出塁率+長打率)0.922、投手として38勝19敗、防御率3.01を記録した。
過去2度ア・リーグMVPを受賞しており、21世紀以降で唯一と言って良い“二刀流”の成功事例とされている。
一方、コ・ウソクは今年1月に劇的なポスティングによるメジャー進出に成功。パドレス合流後、21日までに2度ライブBPを行った。
コ・ウソクの目標もやはり、ソウルシリーズでデビュー戦を戦うことだ。KBOリーグでは通算353試合138セーブ6ホールド、防御率3.19を記録した。
なお、ドジャースとパドレスが来韓する「MLBワールドツアー・ソウルシリーズ2024」は、両球団ともに3月16日に公式練習を行い、17日にはドジャース対キウムとパドレス対チーム・コリア、18日にはパドレス対LGとドジャース対チーム・コリアのスペシャルゲームが行われる。そして、20日と21日にMLB開幕2連戦が行われる予定だ。
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