韓国代表“唯一のJリーガー”が語るPK戦勝利の裏側 湘南ソン・ボムグン「自信をもたらす声掛けを…」【アジア杯】

韓国代表の劇的なPK戦勝利を、チーム内“唯一のJリーガー”が振り返った。

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韓国代表は1月31日(日本時間)、エデュケーション・シティ・スタジアムで行われたアジアカップ決勝トーナメント1回戦でサウジアラビア代表と対戦。延長120分間を1-1で終え、最後はPK戦4-2で勝利した。

韓国は後半開始1分に失点を喫するも、同アディショナルタイム9分にFWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)が同点弾をマーク。PK戦ではGKチョ・ヒョヌ(32、蔚山HD FC)がサウジアラビアの3人目、4人目のキックを連続でセーブし、ベスト8進出を果たした。

そんな殊勲のチョ・ヒョヌを陰で支えたのが、今回のアジアカップにおいて韓国代表で唯一、Jリーグから選ばれている湘南ベルマーレのGKソン・ボムグン(26)だ。

ソン・ボムグン
(写真提供=韓国サッカー協会)ソン・ボムグン

「最後は優勝という結果で…」

ソン・ボムグンは延長後半終了直後、チョ・ヒョヌに近づき、何かを確認し合うかのようにじっくりと話し込んでいた。PK戦が始まる直前にもチョ・ヒョヌに駆け寄り、何か助言を伝えていた。当時をソン・ボムグンはこう振り返る。

「トーナメントではPK戦も重要な要素となるので、たくさん準備していた部分がありました。なので、これまで準備してきたデータや分析を信じて、自分自身を信じる。そうすれば必ず勝利できるという“自信”をもたらすような声掛けをしました」

緻密な準備、心強い声掛けの甲斐もあり、チョ・ヒョヌは抜群の反射神経で2連続セーブを披露。「素晴らしいセーブでしたし、本当に良く防いでくれました。ヒョヌさんのおかげで、僕らは勝利することができたと思います。ただ、PKキッカーを務めた選手もそうですが、誰か一人だけ挙げることも難しいぐらい、すべての選手が頑張ってくれたと思います」と、ソン・ボムグンは守護神をはじめチーム全選手を労っていた。

チョ・ヒョヌ
(写真提供=韓国サッカー協会)チョ・ヒョヌ

韓国は今大会、かつてヴィッセル神戸や柏レイソルでも活躍した正GKキム・スンギュ(33、アル・シャバブ)が、練習中に右膝の十字靭帯断裂という重傷を負い、途中離脱を余儀なくされる事態があった。

このため、試合に出場できるGKはチョ・ヒョヌとソン・ボムグンの2人のみ。キム・スンギュ離脱後にキム・ジュンホン(20、金泉尚武)が合流しているが、大会開幕以降の登録が不可能な関係上、キム・ジュンホンはトレーニングパートナーとしてチームに帯同。試合はチョ・ヒョヌが先発、ソン・ボムグンが控えというGK2人体制で戦っている。

「スンギュさんの負傷は、同じ選手としてとても悔しいですし、もどかしいです。その思いはすべての選手が持っていると思います。だからこそ、僕らとしては勝利し続けて、最後は優勝という結果で喜びを分かち合える時間が来てくれることを願っています」

なお、韓国は次戦、2月3日にオーストラリア代表との準々決勝を戦う。

(取材・文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)

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