韓国Kリーグ1（1部）で2連覇中の王者・蔚山（ウルサン）HD FC（前・蔚山現代）が、来る1月12日より1次キャンプ地の沖縄県・石垣島へと向かう。
2024年シーズンでのリーグ3連覇を目指す蔚山は、温暖な気候で知られる石垣島で基礎体力を鍛えた後、1月21日より2次キャンプ地の鹿児島県に移動する予定だ。
石垣島ではサッカーパークあかんまで練習を行う。鹿児島では姶良市総合運動公園を使用する予定で、5度の強化試合を準備しているという。
現時点ではJ1リーグの湘南ベルマーレ、J2リーグのロアッソ熊本と対戦すると伝えられている。
そんな蔚山だが、日本行きを控えて多少慌てることがあった。
当初、蔚山は石垣島での1次キャンプ後、2次キャンプも沖縄で実施する計画だった。
ところがクラブによると、Jリーグ開幕が1週間近く遅れることを受け、沖縄でキャンプを組んでいたJクラブが練習場や宿舎の使用を延長するなど、早期に対処した。この影響が蔚山にも及んだ形だ。
また、クラブ内部で組織再編などが遅れたこともあり、2次キャンプの計画を早期に確定できなかったという。
蔚山の関係者は「沖縄はキャンプを計画したクラブが多く集まる地域だが、日本のクラブの見解を最優先に受け入れる傾向がある」とし、「代案の鹿児島に変更した」と伝えた。
鹿児島でも、ほかのクラブがすでに宿舎や練習場を確保している。蔚山は1月21日から2月4日まで鹿児島に滞在するが、途中で一度宿舎を移動しなければならないという。
ただ、蔚山を率いるホン・ミョンボ監督は「以前よりキャンプの準備に困難が伴うのは事実だ。それでも、与えられた環境で最善を尽くさなければならない。我々には3連覇という明確な目標がある」と強調した。
ひとまず、蔚山はホン・ミョンボ監督が最も懸念していた守備陣の強化にある程度成功した。
まず、昨季までサガン鳥栖に在籍した元韓国代表DFファン・ソッコ（34）を獲得した。
2012年にサンフレッチェ広島でプロデビュー後、鹿島アントラーズ、天津泰達（中国）、清水エスパルス、鳥栖と渡り歩いたファン・ソッコにとって、Kリーグ挑戦は今回が初。
かつて2012年ロンドン五輪のU-23韓国代表や2014年ブラジルW杯のA代表で師弟の縁をホン・ミョンボ監督と、12年ぶりに再び手を組むことになった。
そのほか、かつて2010～2016年にサガン鳥栖に在籍し、昨季まで中国の成都蓉城に在籍した元韓国代表MFキム・ミヌ（33）の獲得も決定的とされている。
また、韓国代表DFキム・テファン（34）が去った右サイドバックの空白には、浦項（ポハン）スティーラーズから蔚山出身のDFシム・サンミン（30）を獲得した。
昨夏に韓国代表MFパク・ヨンウ（30、アル・アイン）が移籍したことで、弱点と指摘された3列目にも、2部に降格した水原三星（スウォン・サムスン）ブルーウィングスからMFコ・スンボム（29）、さらにはブラジル出身の新外国籍選手の獲得を確定したことがわかった。
蔚山は当初、3列目に韓国代表MFイ・スンミン（29、光州FC）のようなKリーグで実力が証明された選手や、ホンジュラス代表経験のある外国籍選手の補強に心血を注いでいた。
しかし結局、どちらの選手も獲得が実現しなかったことで、ターゲットをブラジル人選手に移すことになった。
なお、蔚山には現在、元ザスパクサツ群馬、大宮アルディージャ、柏レイソル、浦和レッズの元日本代表MF江坂任（31）のほか、元アルビレックス新潟のDFイ・ミョンジェ（30）、元鳥栖、鹿島のDFチョン・スンヒョン（29）、元FC東京、大宮、ガンバ大阪のDFキム・ヨングォン（33）といったJリーグ経験者が在籍している。
蔚山は日本でのキャンプ終了後、2月15日と21日にヴァンフォーレ甲府とのAFCチャンピオンズリーグ（ACL）決勝トーナメント1回戦を戦う。
15日の第1戦はホームの蔚山文殊（ウルサン・ムンス）サッカー競技場、21日はアウェイの国立競技場で行われる予定だ。
（構成＝ピッチコミュニケーションズ）
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