オリンピックでメダル獲得経験もある韓国代表アスリートたちが、厳しい寒波のなかで“海兵隊訓練”を余儀なくされる。
韓国の国家代表選手団をはじめ、大韓体育会、競技団体の役職員など約500人は、本日(12月18日)から20日にかけて浦項(ポハン)海兵隊第1師団で行われる海兵隊の「ワン・チーム・コリア」キャンプに参加する。
今回のキャンプには、主要種目の代表スター選手たちも多数参加する。
主な選手では、競泳男子のファン・ソンウ(20)、走り高跳びのウ・サンヒョク(27)、アーチェリー女子のアン・サン(22)、アーチェリー男子のキム・ジェドク(19)、フェンシング男子のク・ボンギル(34)、オ・サンウク(27)、近代五種のチョン・ウンテ(28)、新体操のヨ・ソジョン(21)など、男女問わず代表アスリートが参加する。
参加者たちは18日10時、鎮川(チンチョン)選手村から団体バスで海兵隊キャンプ地へ移動する。
大韓体育会は以前、今回の海兵隊キャンプについて、2021年東京五輪での不振を払拭し、再び飛躍する契機として、2024年パリ五輪に出場する国家代表選手の精神力強化などに目的を置いていると説明した。
特にイ・ギフン会長は今年10月、「来年は国家代表選手たちが選手村に入る前、全員で海兵隊の克己訓練を受けるようにする考えだ。私も一緒に参加する予定だ」と公言し、韓国国内で非難を浴びた。
にもかかわらず、発言からわずか2カ月で会長の公言は現実のものとなってしまった。
当然、世論は大きく悪化した。海兵隊キャンプをめぐり、前時代的発想であるとともに、逆に選手たちの士気を低下させる仕打ちだという批判が出た。
しかし、イ・ギフン会長は今月14日に行われた記者団懇談会の場で、昔ながらの方式の海兵隊キャンププログラムではなく、朝鮮と団結、誠実、名誉精神教育及び鼓吹に焦点を置くと説明した。
大韓体育会関係者は「ゴムボート訓練など、海兵隊特有の訓練プログラムは一部含まれている。しかし、選手の負傷などを考慮したプログラムを中心に進める予定だ」と強調した。
イ・ギフン会長は懇談会で、近年の韓国エリートスポーツが苦戦している現実を嘆き、来年のパリ五輪も見通しが暗いと何度も強調した。
「現在の流れであれば、パリでは金メダルの枚数が5~6枚にとどまる恐れがある。フェンシングやアーチェリー以外は(メダル獲得が)断言できない」という会長は、「この場合、(総合順位で)15~20位の間になりかねない」とし、海兵隊キャンプを無理のない範囲で実施し、代表選手の肉体訓練と精神力強化に役立つように導くと強調した。
とはいえ、イ・ギフン会長このような意志を示したとしても、依然として韓国国内では批判の声が飛び交っている。
スポーツ専門の関連市民団体たちは18日、「国家代表選手の海兵隊強制入所、イ・ギフン会長は直ちに謝罪し、撤回せよ」と題した共同声明を発表した。
同団体たちは「スポーツ界に長年根付いた“上命下服”の文化のせいだ。季節外れの因習を強固にする実効性のないイベントが、会長の一言で実行されるのが大韓体育会の現実だ」と強く批判した。
また、「代表選手ほど、極限の身体的限界を日常的に経験する人がほかにいるだろうか。誰が誰を教えようというのか」とし、イ・ギフン会長に海兵隊キャンプ運営撤回を要求した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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