横浜F・マリノス相手にビッグセーブを連発した仁川(インチョン)ユナイテッドのGKキム・ドンホン(26)が勝利を振り返った。
仁川は11月28日、ホームの仁川サッカー専用競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループG第5節で横浜FMに2-1で勝利した。
FWホン・シフ(22)とブラジル人FWエルナンデス(24)のゴールにより、横浜FM相手にホーム&アウェイともに勝利を収めた仁川だが、今回のホームゲームの殊勲者は“クレイジーなセーブショー”を披露したキム・ドンホンだろう。
思わず敵将も舌を巻いたほどだった。キム・ドンホンは横浜FMの攻勢をすべて防いで見せた。
前半6分にはブラジル人FWエウベル(31)のヘディングシュートを間一髪セーブすると、同36分にはエウベルの浮き球で抜け出したMF水沼宏太(33)のシュートを至近距離で、それも右足のつま先に当てて弾いた。まさに“動物的勘”とも言えるシュートストップ連発だった。
試合後、横浜FMのケヴィン・マスカット監督は「相手GKの好セーブがなければ2~3ゴールが決まっていたと思うが、我々が受け入れなければならない部分だ。実際、我々がチャンスを逃したというより、相手GKが上手く防いだ」と、対戦相手ながらキム・ドンホンを称えていた。
ミックスゾーンで取材に応じたキム・ドンホンは、敵将のコメントを受けて「ありがとうございます」と答えると、「GKであるならば、当然防がなければならないと思います。すべてゴールを決められたら、果たして自分はGKなのでしょうか?」と笑顔で語った。
また、「もう残り少なかったからこそ、いつもよりリラックスして臨めたと思います。最近は自分以外の選手たちもコンディションが良い。雰囲気の良さは言うまでもありません。自信を持ってプレーし、若い選手たちも闘志が溢れていて、チームの結束はさらに深まっています。そのような部分から、僕らは新しい学びを得ています」と勝利の要因を明かした。
仁川は現在、FWステファン・ムゴシャ(31)、FWジェルソ・フェルナンデス(32)、MFシン・ジンホ(35)、MFイ・ミョンジュ(33)、MFムン・ジファン(29)、MFポール=ジョゼ・ムポク(31)、DFハリソン・デルブリッジ(31)の7人が負傷離脱している。いずれも前線、中盤、最終ラインの中核を担うチームに欠かせない主力たちだ。
それでも、キャプテンのDFオ・バンソク(35)を筆頭にMFキム・ドヒョク(31)、FWキム・ボソプ(25)、DFキム・ヨンス(29)ら残りの主力がチームをけん引し、ホン・シフやMFパク・ヒョンビン(20)、FWパク・スンホ(20)、DFチェ・ウジン(19)ら22歳以下の若手が新たな活気を吹き込んだ。
キム・ドンホンは、2連覇を達成した王者・蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を3-1で破った24日のリーグ戦を振り返り、「若手とベテランの連携が直近の試合で上手くハマった。だから心配はなかった。蔚山戦と同じように頑張ってくれたからこそ、勝利できたと思う」とほほ笑んだ。
キム・ドンホンは当初、今回の横浜FM戦が仁川のユニホームを着てプレーする最後の試合だった。
彼は今年6月に発表された「2023年第2次国軍代表(尚武)運動選手(兵)」男子サッカー部門の最終合格者に選ばれ、今季2部王者として来季1部に復帰する軍隊チーム「金泉尚武(キムチョン・サンム)」の一員として、来る12月4日より入営する予定だった。
こうした兵役関係で、同月13日に行われるカヤFCイロイロとのACL最終節は欠場が濃厚とみられていた。
しかし、兵務庁はKリーグ終盤戦や昇格プレーオフなどの日程を考慮し、選手本人の要請がある場合は新兵の入営日を延期することとしている。
仁川率いるチョ・ソンファン監督は、正守護神のキム・ドンホンと2023年シーズンの最後までともにすることを望んでいる。仁川は12月3日に大邱(テグ)FCとのKリーグ1最終節を戦い、13日のカヤ戦が今季ラストゲームとなる。
指揮官は「最後のカヤ戦までチームの支えとなった後、入隊してくれるとありがたいと伝えた。入営時期を遅らせるよう伝えた」と、キム・ドンホンの入隊について語っていた。
これに対しキム・ドンホン本人は「まだ監督とは何の話もしていません」としつつも、「試合後に監督から聞かれました。“最後までともにしよう”とおっしゃってくれましたが、改めてミーティングをもう一度しなければならないと思います。僕も“ミルダン(駆け引き)”をしてみようと思います」と伝えた。
そして、「一人で遅れて入隊するよりは、ともにできる選手がほかにいれば、先送りする考えはあります」とし、「いつもたくさん信頼してくださっていることに感謝しています。だからこそ、今回のような状況が来たと思います。今後も監督が満足できるような結果を作っていきます」と明かしていた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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