横浜F・マリノスとACLで同組の仁川(インチョン)ユナイテッドの苦戦が続いている。
チョ・ソンファン監督率いる仁川は11月7日、アウェイの済南オリンピック・スポーツセンターで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループG第4節で山東泰山(中国)に1-3で敗れた。
必勝が求められた試合だった。第3節終了時点で2勝1敗としていた仁川は、決勝トーナメント進出に向けて勝利が必須だった。
何より、第3節でホームに山東を迎えて0-2で敗れていただけに、雪辱を狙った一戦だったが、敵地でのリターンマッチは後半のオウンゴールとPKであえなく敗れた。終了間際にMFキム・ドヒョク(31)のループシュートで1点を返したが、勝負を覆すには力不足だった。
ACL東地区グループステージでは、グループF~Jの各組1位5チーム、そして各組2位の成績上位3チームの計8チームが決勝トーナメントに進む。
グループGは横浜FM(勝ち点9)がカヤFCイロイロ(フィリピン/勝ち点0)を下して首位に浮上。仁川に2連勝の山東も勝ち点9で2位とし、2連敗を喫した仁川は3位まで下がった。決勝トーナメント進出に赤信号が灯った。
試合後、チョ・ソンファン監督は「サッカーは“ミスのスポーツ”ではあるが、大きなミスが残念だ。この部分を選手たちと一生懸命準備してきたが、さまざまな状況や変数を克服できなかった。遠いアウェイまで来られたファンの皆さんに必ず勝利で恩返しをしようと選手たちと話したが、結果を出せず監督として責任を感じる」と伝えた。
チームの雰囲気が良いはずがない。たった10日前と比べるとなおさらだ。
仁川は去る10月28日に行われた光州(クァンジュ)FCとのKリーグ1(1部)第35節で、負傷離脱した主力の穴埋めと直後のFAカップ準決勝に向けた準備のため、先発に22歳以下の選手を多く起用するターンオーバーを敷いた。
結果、フルメンバーの光州相手に2-0の勝利を収め、チームの雰囲気が一段階盛り上がった。若手の期待以上の活躍と勝ち点3獲得という成果に、指揮官も自然と微笑みがこぼれた。
しかしその後、11月1日のFAカップ準決勝で全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに1-3で敗れ、今回のアウェイ山東戦でも勝利できず、公式戦2連敗を喫した。
何より、チームはここにきて主力の負傷者が続出している。
横浜FMとのACL初戦にも出場したMFシン・ジンホ(35)が右足首の負傷、オーストラリア人DFハリソン・デルブリッジ(31)が右大腿内転筋の負傷で今季絶望。MFイ・ミョンジュ(33)も左膝内側側副靭帯の部分断裂を負っているほか、爆発的なスピードが持ち味のFWジェルソ・フェルナンデス(32)も全北とのFAカップ準決勝で負傷交代となった。
今季は3つのコンペティション(Kリーグ1、FAカップ、ACL)を並行する野心的なシーズンを戦う仁川だが、終盤に来て惜しい気持ちがさらに大きくならざるを得ない状況だ。
ACLグループステージを残り2試合とする一方、国内リーグ戦の重要性も忘れてはならない。
仁川は第35節終了時点で13勝13分9敗の勝ち点52とし、12チーム中5位につけている。4位の全北(勝ち点53)とは1ポイント差、3位の光州(勝ち点57)とは5ポイント差だ。
リーグ戦も残り3試合という時点で、仁川には来季ACL出場圏内となる3位以内の可能性がまだ残されている。そのためにも、ここからさらに雰囲気を引き上げなければならない。
仁川は11月の残り3試合をすべてホームの仁川サッカー専用競技場で戦う。12日に全北とのKリーグ1第36節、24日に蔚山との第37節を経て、28日に横浜FMとのACL第5節を迎える。
以降、12月は3日にアウェイのDGB大邱(テグ)銀行パークで大邱FCとのKリーグ1最終節を戦い、13日にはフィリピンに発ち、リサール・メモリアル・スタジアムでカヤとのACL第6節に臨む予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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