韓国Kリーグが試合出場エントリーを拡大する可能性がある。
Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟は現在、試合出場エントリーを「18人」から「20人」に増やす案をめぐり、各クラブと協議を進めている。
現行のKリーグでは、試合出場エントリーの人数は日本のJリーグと同じ先発11人、控え7人の計18人だ。ただ、来年以降からは控えを9人に増やす可能性がある。
連盟は数回の実務陣会議を通じて意見を交わしており、今後、現場の意見を集約して拡大の可否を決定する方向だ。
新型コロナウイルス感染拡大以降、欧州の主要リーグはベンチ入り人数を増やす方向で軌を一にした。
プレミアリーグ(イングランド)をはじめ、ラ・リーガ(スペイン)やブンデスリーガ(ドイツ)など主要なリーグはベンチ入り人数を9人と定めている。
セリエA(イタリア)は交代選手の人数を制限していない。交代枠が拡大したことで、ベンチに座る人数も自然に増えた。
パンデミックは事実上終息したが、エントリー人数は現在も増加したままだ。選手保護の観点や、交代の多様性などさまざまな長所を確認した結果だと言える。
Kリーグもやはり世界的な傾向・基準に歩調を合わせるため、規定変更を検討する段階にあるが、各クラブでそれぞれ異なる見解を示しており、明確な結論を打ち出せずにいる。
連盟のチョ・ヨンサン事務総長は、「意見を聞いてみると、おおよそ50対50程度で賛成と反対が分かれている」とし、「どうしても費用面の問題が最も大きいようで、具体的に費用がどれだけ増えるかを調べている。10月中にも理事会を開いて決定する」と述べた。
賛成する側のクラブは、監督や選手の意見に重きを置いている。
控えの人数が2人増えただけでも、監督は今まで以上に試合に多様な変化をもたらすことができる。
Kリーグ1(1部)のとあるクラブの監督は、「先発11人もそうだが、交代で誰を起用するかで本当に悩む。その選択肢があと2枚増えるのであれば、より幅広くスカッドを活用することができそうだ。パフォーマンス向上にも役立つだろう。可能であれば拡大してほしい」と意見を明かした。
また別の監督も、「選手たちには大きなモチベーションになるだろう。エントリーに入るのと入らないのとでは天地の差だ」とし、「年に38試合をするのだから、2枚増やすだけで選手には76回のチャンスが開かれるわけだ。監督の立場としては、エントリーできない選手に対して申し訳ない気持ちもある。この機会を通じて、もっと多くの選手を活用できることになればと思う」と伝えた。
一方、エントリー拡大に難色を示しているクラブは、主に費用問題を理由に挙げている。
ホームゲームであれば大きな問題はないが、シーズン全日程の半分を占めるアウェイゲームにおいては、2人が追加されることで少なくない費用が発生するという主張だ。
とあるクラブ関係者は、「飛行機や電車、宿泊、食事代など、アウェイゲームの準備時にかかる費用は侮れない。2人増えるだけでもクラブの財政負担が大きくなることは明白だ。財政健全化を重要価値として掲げるKリーグにとって適切な措置とは考えにくい」と主張した。
費用面はさておいて、ただ単にエントリーを2人増やすこと自体に大きな意味がないと考える意見もある。
現在、KリーグではU-22選手義務出場規定を運営している。22歳以下の選手が必ず1人先発出場しなければならず、交代でもう1人22歳以下の選手が出場することで、交代枠最大5枚をフル活用できる。
とあるクラブの幹部は「結局のところ、エントリー拡大は競技の質を向上させるための措置だ。しかし、KリーグはU-22規定によって今ですら交代を思うようにできない。グローバルスタンダードに追いつくためにエントリー人数を9人に増やしたいのであれば、U-22規定も一緒に見直すべきだと思う。この規定によって交代回数にも影響が出ており、あまり役に立ちそうにない。質の低下の根本的な理由に触れず、エントリーだけを2枚増やそうとすることは大きな意味がないと思う。ただでさえ少なくない費用を支出することになるのだから、同意することは難しい」と厳しく指摘した。
エントリー拡大については賛成というとある指導者も、「実際、エントリーを9人に増やしたところで、U-22規定が存在し続けるのであれば実効性は落ちるしかない。むしろエントリーを増やさなくても、U-22規定を廃止するか縮小した方が効率的だと思う」と述べていた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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