日本代表と対照的…監督が“リスク”になる韓国代表、メディアも「足枷」「悪材料」と懸念するワケ

頻繁な外遊、職務怠慢議論に発言の言い換えまで。就任当時から現在まで不必要な話題を量産して批判を集めるユルゲン・クリンスマン韓国代表監督は、これ以上“過程”だけを強調してるわけにはいかない。

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韓国は欧州で行われた9月の国際親善試合2連戦を1勝1分で終えた。ウェールズ代表と0-0で引き分け、サウジアラビア代表には1-0で勝利した。

次の代表チームは来る10月9日に再招集される。今度は韓国国内で親善試合を実施し、10月13日にソウルワールドカップ競技場でチュニジア代表、17日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場でベトナム代表と対戦する予定だ。

そして、11月からは2026年北中米W杯アジア2次予選がスタートする。韓国は11月16日にシンガポール代表対グアム代表の勝者とホームで対戦し、5日後の21日にはアウェイで中国代表と戦う。同組にはタイ代表も属している。

その後、来年1月からカタールでアジアカップが開催される。韓国はFWソン・フンミン(31、トッテナム)やDFキム・ミンジェ(26、バイエルン・ミュンヘン)、MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)など歴代屈指の欧州組を擁し、1960年の第2回大会以来64年ぶりの優勝に挑む。

ただ、W杯2次予選を経てアジアカップへ向かう韓国にとって最大の足かせとなるのが「クリンスマン・リスク」だ。

(写真提供=韓国サッカー協会)クリンスマン監督

韓国メディアが指摘するクリンスマンの“怠慢”

韓国代表監督に就任した当初、国内常駐を通じて若手選手などをチェックし、韓国のサッカー文化を定着すると約束していたはずの指揮官は、今回の欧州遠征期間に実施した韓国メディアとのインタビューで「韓国に常駐しなければならないと話した人物は誰もいなかった」と発言し、過去の自信の発言を翻して議論を巻き起こした。

ただでさえ不振な成績で批判を集めていたにもかかわらず、怒りで火が付いた民心に油を注いだわけだ。

クリンスマン監督は自宅のあるアメリカを中心に、欧州を行き来する活動を今後も継続する意思を示し、韓国サッカー協会(KFA)の統制外にいることを自ら証明した。

そんなクリンスマン監督が自身の主力業務として声を高める「欧州組の視察」をめぐって、韓国サッカーファンやメディアの間では「実効性が少ない」という声があふれている。

代表の主力を担う欧州組は、クリンスマン監督に限らずどんな人物が指揮を執るとしても重用せざるを得ない。

これにはKFAのハン・ジュンヒ副会長さえも、自身が出演するYouTubeチャンネル『ワンツーパンチ』の動画内で「クリンスマン監督が欧州で一試合を見て選手を選ぶことが、どれだけ影響があるかは疑問だ。仮に現地視察しても、ソン・フンミンやキム・ミンジェが欠場するかもしれないし、不振かもしれない。だからといって、彼らを選ばないようなことがあるのだろうか」と皮肉のコメントを伝えた。

クリンスマン監督体制の1次ミッションであるアジアカップ本大会までは4カ月も残されていない。

チームの戦術や戦略とは別に、指揮官の「勝手な行動」に対する否定的な世論はコーチや選手の負担にもなっている。

特にKリーガーなど国内でプレーする選手の間では、「クリンスマン監督は自分たちに関心がない」という発言も自然に出ているほどだという。

代表の主要な“骨組み”となる国内組の彼らが、「自分たちはクリンスマン監督の視野に入っていない」という共感を形成することで、チーム内の「ワンチーム意識」も以前ほどではなくなっているのが事実だ。

監督が正しいかどうかは別として、就任初期から韓国サッカー界と共通意識を形成しようという努力さえも見せない姿には、「韓国サッカーを無視する仕打ちだ」という視線が伴うしかない。

KFA内部でも「クリンスマン・リスク」への対応には頭を悩ませている。ただ、現状の問題を解決できるカギを握っているのはまさにKFAだ。

森保一監督

“宿命のライバル”日本は同期間、ドイツとトルコ相手にそれぞれ4得点して2戦全勝を収めた。韓国は予期せぬ悪材料として浮上した「監督イシュー」をどのように整理するかが、アジアカップまで解決すべき課題となる見通しだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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