何かと問題の多いプレミア12だった。
“野球の世界化”のために、日本と世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が手を握って創設したプレミア12は、今回で第2回を迎えた。
しかし今大会で明らかになった未熟な行政処理と粗末な試合運営能力は、野球のグローバル化はおろか、プレミア12の存続を脅かす要因となった。
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日韓戦を除いて興行でも振るわず、“彼らだけの大会”に転落した。今大会を通じて明らかになった問題を改善することなしには、プレミア12の存続を心配するしかない。
審判の割り当て、国際大会では起こってはならない誤審、一貫性のないボール判定、納得できない審判の指示などは、大会の公正性に悪影響を与えた。
悪印象を受けないように強いアピールはしなかったものの、韓国代表キム・ギョンムン監督をはじめ、韓国選手たちは大会期間、何度も審判の割り当てと判定に不満を表わした。
公平性は、国際大会の興行に大きな影響を与える。しかし今大会は、4年前の第1回大会当時と比較して、なんら善処がされていなかった。試合の外で公正性に関する論議が何度も提起されたということ自体、プレミア12の権威が地に落ちたことを意味する。
プレミア12を主催したWBSCの風見鶏のような態度も、大会の格を落とした。
11月16日と17日に東京ドームで行われた日韓戦では、いずれも旭日旗が登場した。韓国野球委員会(KBO)は、WBSCと日本野球機構(NPB)側に公式抗議を行ったが、「紛争状況ではなく、国際オリンピック委員会(IOC)も問題視していないため、制裁することができない」という回答が返ってきた。
旭日旗を所持した観衆に、注意を与える程度に終わった。国際社会で旭日旗論議の中心に立っている国際サッカー連盟(FIFA)が旭日旗を使用した応援を禁止する措置を下すなど、深刻性が浸透している状況だが、WBSCはIOCの顔色をうかがうことに汲々とした。
大会期間中、数多くの議論が発生したが、WBSCは今大会が正常に行われたと自評する立場を出した。興行に失敗した原因を分析する内容は、どこにも見られなかった。WBSCの立場は、論議を鎮静化させるためのパフォーマンスに過ぎない。
“野球の世界化”に逆行するWBSCの未熟な大会運営とご機嫌取りは、プレミア12の存続理由に疑問符をつけた。
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