野球韓国代表は、プレミア12連覇の栄光を目前にして逃した。宿命のライバルである日本と一歩も譲らぬ接戦を繰り広げたが、2020東京五輪出場権を獲得した意味さえも色褪せさせた。
11月17日、東京ドームで行われたプレミア12の決勝戦で、韓国は日本に3-5で敗れた。
韓国は、1回表にキム・ハソンの2ランとキム・ヒョンスのソロホームランで早々に3点のリードを得た。しかし、エースのヤン・ヒョンジョンが1回裏に鈴木誠也のツーベースヒットで1点を返されると、2回裏には山田哲人に逆転3ランホームランを許してしまった。
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チェンジアップやカーブでバットを外角に誘うべきタイミングでヤン・ヒョンジョンとヤン・ウィジのバッテリーは内角を選び、はたまたボールは真ん中へと投げ込まれてしまった。野球はたった1球で勝敗が分かれてしまうことを、韓国は逆転ホームランで痛感することとなった。
守備面でも物足りなさが残った。3-4で迎えた7回裏、坂本勇人が放った打球はレフトフェンスを直撃し、レフトを守るキム・ヒョンスはフェンスまで打球を追った挙句、弾かれたボールを再び追いかけて行くという、冷静さに欠けた守備を見せた。
一貫したバッティングにも差が見えた。韓国のバッターは、1回のキム・ハソンの2ランが起爆剤になったのか、打ち上げるスイングに終始一貫した。そして、甲斐野央や山本由伸といった150km台後半の速球と140km前半の高速フォークボールを使い分ける日本の投手陣に、次々と討ち取られた。
終盤になるにつれて韓国は集中力を欠き、勝利への執念で日本を上回ることができなかった。戦略や戦術、勝利への執念、すべてで日本に完敗した。堂々と旭日旗を広げて応援する日本のファンを前に、韓国は屈辱を喫した。
韓国は、スピードとコントロールを兼ね備えた日本の投手陣を克服できなかった。守備面でも自らの失策によって失点するなど、精密さも足りなかった。ディフェンディングチャンピオンとして臨む東京五輪では、絶対に繰り返してはならない光景だ。
そして、目まぐるしく変化する現代の野球において、投手力を中心に堅固な守備で強豪国と対等に渡り合わなければならないと確認できた。プレミア12は日本の優勝で幕を下ろしたが、準優勝の韓国にとっては多くの課題を克服しなければならない状況となった。
東京五輪でリベンジを果たせるか。現時点で先行きは不透明だ。
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