日本以上に“不正のデパート”…本場・韓国テコンドー界に根付く「悪しき文化」とは

2019年11月06日 スポーツ一般

さまざまな問題の対応に追われている韓国スポーツ界の中でも、テコンドーは多くの指摘を受けている競技といえる。

審判の不公正な判定、八百長、そして「南北統一よりもはるかに難しい」と言われる派閥間の葛藤など、計り知れない数々の問題を韓国テコンドー界は抱え、国民から非難を受けてきた。

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それでもテコンドーが韓国の国家ブランド価値を高め、韓流文化の向上に大きな役割を果たしていることも忘れてはならない。

韓国政府は、文化コンテンツとしてテコンドーの価値を育み、テコンドーの哲学的な価値と宗主国の権威を守るため、世界テコンドー本部である国技院の立場強化と復権に多くの努力を傾けている。

そして、2010年に断行されたのが国技院の法人化だ。テコンドー振興法という特別法によって法的地位を確かなものとし、丈夫な物的基盤を確保する代わりに、人事の刷新などテコンドー界に深く根付いた積弊を清算することが政府の狙いだった。

だが、国技院長が拘束されるなど“不正のデパート”へと転落した国技院を前に、静観を続けていた韓国政府は再刷新の必要性を痛感して正常化へ向けた政策や代案を考えたが、改善はみられていない。

まず、チェ・ヨンヨルが当選した院長選挙では、落選したオ・ノギュン候補の提起によって法廷争いにもつれ込む事態が起きている。

そして10月30日に行われた国技院理事長選挙でも道徳性の問題が問われている。過去に賄賂で懲役1年、執行猶予2年を言い渡された前歴のあるチョン・ガプキル新任理事が、理事長選挙に出馬したからだ。

国技院の正常化を望む韓国政府としては、厄介極まりない障害物だ。この件で世論の中心に上がった国技院理事長選挙は、再投票の末に当選者を選出できず、次の機会へと延期された。

政府が国技院の法人化を決定した背景には、犯罪歴を抱えた人物が混じっていた国技院の人的刷新の意思が反映されている。だが今回、犯罪歴を持つ人物が再び国技院の理事に選ばれたことには疑問を隠せない。それだけではなく、なぜその人物が国技院理事長選挙への出馬を決めたのかも疑問だ。

これについては文化体育観光部も当惑を露わにした。文体部関係者は選挙前、「政府は特定の人物を斡旋していない」と、世間に流れた国技院理事長内定説を強く否認する異例の発表をした後、「国技院はどの団体よりも道徳性が求められる」と表明した。

文体部が犯罪歴を持つ前理事の理事長選挙出馬にブレーキをかけた理由は、パク・ヤンウ文体部長官との関係がある。前理事とパク長官は、中学時代の先輩後輩の関係であることがわかっている。

幸いだったのは、再投票の末にも当選者が出なかった事実だ。

国技院は来る11月8日、臨時理事会を開いて再び理事長選挙を実施する予定だ。“厄介な問題”に挙げられた前理事が再び出馬するかは不明だが、問題の深刻性はそこではない。

犯罪歴を持つ前理事に投票する人物がいる現実

問題は、未だに事態の把握がなされていないテコンドー界の状況認識だ。

前理事は1次投票で7票を得ており、再投票でも6票を得ている。道徳性に問題のある前理事を積極的に推している理事が存在することは、国技院の恥ずべき道徳的水準を見せつけてくれる良い例だ。

テコンドーの価値や哲学はおろか、ただ利害関係に基づいて動く韓国テコンドー界の慢性的な“ギャング文化”は、根本から清算すべき積弊中の積弊であると専門家は共通の見解を述べている。

国技院は、テコンドーの本山として世界のテコンドー界からリスペクトを受けなければならない団体だ。国技院が必要とする威厳や権威は、外部によって作り出されるのではなく自らが生み出すべきものだ。

韓国テコンドー界は、口さえ開けば「テコンドーは韓国が世界に与えたプレゼントだ」と見栄を張る。だが、国民からも後ろ指されるテコンドー界が世界からリスペクトを受けられるはずがない。

国技院が正常な姿へと立ち直るのは一体いつになるのか。テコンドーの未来に光明は未だ見えない。

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