シーズンを通して守護神が活躍してくれることを皆が願っている。しかし、現実はそう甘くはない。
昨年、韓国プロ野球10球団のうち、抑え投手がペナントレースを完走したケースは半分に過ぎなかった。
LGツインズのコ・ウソク、KTウィズのキム・ジェユン、KIタイガースのチョン・ヘヨン、サムスン・ライオンズのオ・スンファン、NCダイノスのイ・ヨンチャンだけが、開幕戦からレギュラーシーズン最終戦までクローザーとして稼働していたのだ。
韓国球界史上初の“ワイヤー・トゥ・ワイヤー”を成し遂げたSSGランダースも抑えが不安要素で、シーズン中、コロコロと変わっていたことは記憶に新しい。
SSGと韓国シリーズで激突したキウム・ヒーローズも状況は似ていた。
複数の投手が9回のマウンドに上がり、8月からキム・ジェウンが守護神に位置づけられた。ほかにもロッテ・ジャイアンツ、ハンファ・イーグルスもシーズン途中に抑えが変わっている。
そして2023シーズン開幕が目前に迫っているなか、再び抑え投手探しの難題が突きつけられている。昨年、抑えを固定した5チーム以外の球団は、依然として正解を見つけられないまま新シーズンに突入する見通しだ。
そのなかでも、抑えに関して最も心配無用とされていたLGツインズは、守護神不在のまま開幕を迎える。
2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に参加したLGツインズのクローザー、コ・ウソクは、3月6日に行われたオリックス・バファローズとの強化試合で、肩に痛みを発症した。当時、さほど大きな怪我ではなかったようだったが、WBCでは1イニングも登板せず、その後のオープン戦でもマウンドに立てていない。
昨年のセーブ王(42セーブ)だったコ・ウソクが戻ってくるまで、LGツインズはイ・ジョンヨンが9回を引き受ける計画だ。SSGランダースはソ・ジンヨン、キウム・ヒーローズはキム・ジェウン、ロッテ・ジャイアンツはキム・ウォンジュン、斗山(トゥサン)ベアーズはホン・ゴンヒ、ハンファ・イーグルスはチャン・シファンがリード時の9回に責任を持って登板する。
しかし、144試合の長丁場でクローザーが固定されるとは誰も断言できない。実際、SSGのキム・ウォンヒョン監督とハンファのカルロス・スベロ監督はオープン戦期間中、抑えに対する質問にはっきりと答えられなかったほどだ。
監督は皆、150kmを超える剛速球と制球力を兼ね備え、球種も豊富なクローザーを望んでいるが、投手全員が全盛期のオ・スンファンにはなれないのが現実だ。
このような理由から、今シーズンは序盤から混戦になる可能性が高く、ブロウンセーブも昨年の178回を超えるかもしれない。
これらの情報からわかるように、韓国プロ野球にはレベルの高い投手が不足しているのが現状だ。若い剛速球投手が着実に増えてはいるが、彼らが中心選手になるには時間がかかる。
野球で最悪なのは9回に逆転負けすることだ。
抑え投手がブロウンセーブで試合を明け渡すと、翌日はチーム全体が動揺しかねない。そして逆転負けが続くと、チームは限りなく崩壊するといっても過言ではないだろう。
そのため、監督とコーチたちはいつもプランBを設ける。複数のチームが抑え候補を9回に登板させた。KTで2年目の新鋭パク・ヨンヒョン、ハンファの新人キム・ソヒョン、斗山のチョン・チョルウォンなど、若い血がシーズン中に守護神に抜擢される可能性も少なくない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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