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WBCで韓国代表が早期脱落した。応援の時間は終わり、問題を指摘して改善を論じるときだ。
まずは問題点から話したい。
そもそも、韓国代表はWBCに対する認識から間違っていた。
もはやWBCは単なる国際大会ではない。WBCは野球の世界化をけん引している。サッカーのワールドカップがロールモデルだ。
そのため、各国ではメジャーリーグ経験者が監督や選手として大会に臨んでいる。アップグレードされた欧州国の傘下も活発だ。
ところが、我々はこれまでと同じような考えで容易に大会に臨んでしまった。
まず、チームが急造だった。普段はKTウィズで指揮を執るイ・ガンチョル監督をはじめ、各球団から集められたコーチングスタッフたちは自チームの新シーズンを準備していたなか、急いで代表のユニホームに着替えた。思うように適応できず、ダッグアウト内の調和も果たせなかった。
何より、WBCの重みを看過していた。
世界的な大会には、世界的な指導者と選手がベンチにいなければならない。我々がまだ考えてもいなかった部分であり、戦略的に逃した部分だ。
その結果、実力のみならず相手の勢いにも押された。そもそも実力もなく、ネームバリューにもやられた。
野球は「実力がすべて」ではない。野球宗主国のアメリカもWBCの試合で負けるのが野球だ。
実力以外に作用する要素として代表的なのが神経戦だ。そのため、例え実力で劣っても気持ちの争いで負けてはならない。時には挑発が必要な理由もそこにある。
しかし、今回の韓国代表はそうではなかった。日本のラーズ・ヌートバー(25、セントルイス・カージナルス)の挑発にも息を殺した。