一方、韓国は1次ラウンド突破へ最も重要な初戦のオーストラリア戦で、先発のコ・ヨンピョ(31、KTウィズ)が4.1回2失点とすると、2番手のウォン・テイン(22、サムスン・ライオンズ)は1.1回無失点と好成績を収めた。
ところが6回二死、26球を投げて降板となった。侍ジャパンの第2先発のように長いイニングを任せられることはなかった。
イ・ガンチョル監督は「第2先発」ではなく「切り捨て」で継投策を敷いた。しかし、韓国が4-2でリードした7回、ベテランのキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)やヤン・ヒョンジョン(35、KIAタイガース)ではなく、若手のソ・ヒョンジュン(21、KTウィズ)を上げた。
ソ・ヒョンジュンは登板するやいなや死球と安打で走者2人を塁に出し、送りバントで一死二、三塁のピンチを招いた。結局、火消しで登板したキム・ウォンジュン(29、ロッテ・ジャイアンツ)は逆転の3ラン本塁打を浴び、試合がこじれることになった。
元々、イ監督は国際大会の経験が豊富なキム・グァンヒョンと勝負所で流れを引き寄せたり、悪い流れを断ち切ったりするためのリリーフの役割を任せると話していた。
にもかかわらず、必ず勝たなければならなかったオーストラリア戦で登板させず、翌日の日本戦の先発に据えた。目の前の試合に全力を尽くさず、後の試合を考えていたのだ。
オーストラリア戦後、イ監督は敗因について「我々が4-2で逆転した後のソ・ヒョンジュンの選択だと思う。制球ができてアウトカウントを取れる安定した投手だと思って送り出したが、その回で3点を与えてしまったことで、流れが相手に傾いたと思う」と伝えた。
結果論ではあるが、準備していた通りにキム・グァンヒョンを7回でリリーフ登板させ、流れを確実に引き寄せていれば。2番手のウォン・テインも球が良かっただけに、第2先発として49球まで投げさせていれば。結局、日本のような第2先発でもなければ、継投に全力を注いだわけでもない、意図がハッキリしない投手運営だった。
オーストラリアにさえ勝っていれば、日本に負けてもプール2位は確保できたはずだ。昨年からオーストラリア戦の必勝を準備してきたはずが、現実は違った結果に終わった。
日本戦では3回表に3点先制したが、その裏に4失点ですぐに逆転された。先発のキム・グァンヒョンは2回まで完璧に近い投球を披露していたが、3回から制球が乱れ連続四球を許した。
ただ、交代のタイミングが遅かった。その後も安打2本を打たれ2失点し、無死二、三塁の状況でようやくウォン・テインに代えた。だが、ウォン・テインも一死満塁から適時打を打たれ、3-4で逆転されてしまった。
結局、計10人の継投も4-13と侍ジャパンに惨敗した後、イ監督は「序盤に勝機をつかんだが、投手交代が遅れた。投手運営に失敗した」と自責していた。
もっとも、投手運営には限界も見えた。今回の代表投手陣15人のなかで、コンディションが良い投手は5~6人に過ぎなかった。特にKBOセーブ王の守護神コ・ウソク(24、LGツインズ)は大会前の強化試合で首を痛め、肝心の本番で登板できないアクシデントもあった。
WBCという大舞台で若い投手は自信を失い、本来のピッチングを見せることができなかった。
限られた陣容で短期間に4試合を戦わなければならなかったため、そもそも第2先発は初めから難しい構想だった。だからこそ、今投げられる投手だけがマウンドに立ち続けた。
であれば、なおさらオーストラリア戦で総力をつぎ込む運営ができなかったのかが悔やまれる。“日韓戦”は例えコールドゲームになって敗れたとしても諦めるべきだった。
(記事提供=OSEN)