オーストラリアに7-8、日本に4-13と敗れた後、チェコを下してようやく一息ついた。しかし、すっきりとした勝利とまでは行かない。チェコがオーストラリア相手に4点差以上で勝利してこそ、韓国のベスト8入りの可能性が生まれる。
大会初勝利にもイ・ジョンフは明るく笑うことができなかった。
試合後、ミックスゾーンで取材に応じたイ・ジョンフは、「勝ったものの、どうしても勝ったからと言って喜べる状況ではない。再び準備をしっかりしなければならないようだ」とし、「ファンの方々も最後まで応援してくださっている。明日、オーストラリアの試合がどのような形で終わっても、最善を尽くすつもりだ。それが国家代表のユニホームを着たときにしなければならない行動だと思う。最後まで最善を尽くす」と強調した。
暗い表情がなかなか消えないようだった。去る10日の“日韓戦”で、4-13というコールドゲーム級の大敗を喫した衝撃がまだ残っていた。
日韓戦後、イ・ジョンフは悔しさを隠せない表情で東京ドームを抜け出した。信じられないような敗戦にショックが大きかったようだ。
当時の状況を聞くと、イ・ジョンフは「“韓日戦”の後、気持ちを落ち着かせるというよりは…」として言葉を続けた。
「正直、衝撃的だった。自分の野球人生はいつ終わるかわからないが、そのときまで今回の“韓日戦”はずっと思い出すことになりそうだ」
「腹立たしさもあったが、“これは一体どういうことだ?”とも思った。さまざまな感情が入り混じった」
しかし、イ・ジョンフは前を向いた。“日韓戦”の大敗を「実力差だ」と素直に認めた彼は、「個人としては、生まれて初めて見る球を打つことができて良かったという。確実に球が違った。我々のリーグでは見られなかったような球だ。自分も試合をしながら多くのことを感じた」と力強く語った。
“日韓戦”で抱いた衝撃と怒りはイ・ジョンフを再び熱くさせ、さらに発展するという誓いにつながった。
(記事提供=OSEN)
◇イ・ジョンフ プロフィール
1998年8月20日生まれ。日本・愛知県名古屋市出身。身長185cm。韓国のプロ野球選手。キウム・ヒーローズ所属。父親は1998~2001年に中日ドラゴンズに在籍したイ・ジョンボム(李鍾範)。高校卒業後の2017年にプロデビューし、同年の新人王を受賞。ゴールデングラブ賞(NPBのベストナインに相当)に2018~2022年の5年連続で選ばれており、2022年はシーズンMVPと打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高長打率、最高出塁率)に輝いた。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場予定で、2023シーズン終了後のメジャーリーグ進出を表明している。愛称は「韓国のイチロー」。